みなさんこんばんは
バックナンバーは、
①モザイクと世界遺産、
②さんぽ、
③異端派の洗礼堂、
④クラッセの美しきモザイクです。
今日もラヴェンナからお伝えします。今日は長いよー。
旧市街にあるサンタ・クローチェ教会は元々大きかったものです。それが道路を通すことにより、一部分が分断されてしまいました。
分断された一部がコレ。5世紀に作られたガッラ・ブラチーディアの霊廟(Mausoleo di Galla Placidia 世界遺産)です。墓というイタリア語はtomba、sepolcro、tumuloなどいろいろな表現があるのですが、mausoleoと言う言葉は壮大な墓という意味だけでなく、その墓に入る人が自身の意思で作らせたものだとガイドのエレナが教えてくれました。この霊廟はガッラ・プラチーディアの希望のお墓なのです。
外壁はとても質素なレンガ造りです。
しかし内部は全面がモザイクでとても豪華な仕上がりです。これが意味するところは、人間は中身が大事、心の中が豊かだということを示しています。
ガッラ・プラチーディアは4世紀末から5世紀半ばまで生きた、ローマ皇帝テオドシウス大帝の娘でした。敬虔なカトリック教徒である彼女は愛するラヴェンナの教会に寄進をし、さらに自分の霊廟を作ることを決めました。残念ながら彼女の思いとは別に450年、ローマで亡くなりました。ローマからラヴェンナまでの遺体の移動は1週間。冷蔵で保存しながら移動も勿論ムリ。ということで彼女は父親と同じローマの墓に入り、二度とラヴェンナの霊廟に入ることはありませんでした。折角自分のために造ったのに・・・
『PX』はイエス・キリストを指し、 Aω(Ω)はアルファ・オメガ(ギリシャ語)、つまり英語で言うA-Zを指し、『全て』という意味で、神、キリストを表します。
中に入って左に見える有名な白い鳩が水を飲むモザイクが。鳩は羽があり飛ぶことができます。神の所まで近づくことができるので特別なんだそうな。ですからお水を飲んでもいいんですって。
ところがこちらのシカには羽がありません。ということは、水飲み場までたどりつけないのです。可哀想なシカ。
聖ラウレンティウス(サン・ロレンツォ)の画が見えます。殉教した聖人というのは、殺されたアイテムを持って登場することが多いのですが、聖ラウレンティウスは3世紀の聖人です。グリル焼きで殉教しました。燃え盛る火に生きたまま載せられる寸前の聖ラウレンティウスは、怖がることなく視線はしっかりと前をむいています。これがプラチディアの意思と一致することから彼女はこのデザインを選んだといわれています。
天井の中心には十字があり、東向きに置かれています。四つ角には四福音記者のシンボルが描かれています。
上記の画像ですが、修復部分が濃い色で描かれています。これはオリジナルと修復部分が混ざらないようにわざと色を変えているんですね。絵画の修復でしたらそんなことしませんよね。モザイクならではです。
端部分がラーメンの丼みたい。ラーメン食べたいなぁ。
明かり取りのため、部分部分の壁が薄くなっています。アイデアが素晴らしいですね。
天井のアーチはまるで波打つカーペットのよう。これはイスラムとも芸術的につながっていたことがよくわかります。逆にオリジナルの床はやはり地盤沈下により現在は見ることが出来ません。
狭い霊廟には沢山のストーリーが隠されていました。
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