みなさん、こんばんは
新しい同僚のスターニはチェコ人のお姉ちゃんである。背が高く、美人さんで、スタイルが良く、頭もいい。ついでに性格も穏和でこんな風に生まれたら幸せだろうなって。でも、彼女なりの苦労もあったことだろう。チェコスロバキアが分裂してチェコ共和国になったのが1993年、EU加盟が2004年。決して古い国ではないが、近代ではとても激動の時代を味わったに違いない。日本でのほほんと生きてきた私とは正反対の世界を知っているんじゃないかと。
このように新しい国から来た同僚には仲間も興味津々で質問攻めに遭うスターニ。どんな経緯でイタリアに住んでいるのか、NG関係なく訊くところはさすがイタリア人だ。しかし優しいスターニは丁寧に答えていた。私も友人がチェコに住んでいる。私のチェコの知識なんてビールとカフカとドボルザーク、スメタナのモルダウ(『我が祖国』から)ぐらいなもので、やはり生の声を聞くのはすこぶる愉快だ。ガイド仲間というのは旅行好きである。いろんな国を周ったり、その文化や人々を知ることを目的としている。私のチェコ人のイメージは確実にスターニが基本となる。次に知り合うチェコ人は彼女を支点として考えるが、違う毛色の性格だった場合は不自然さを感じる。そしてなんどもチェコ人を知ることによりそのレッテルが出来上がる。
各国の人たちの平均的性格を知りたいなら、その国に行くのが一番いいのだろうが、そんな簡単なことではない。時間とお金がかかるものだ。折角近くにその国の出身の人がいるならついつい色々聞いてしまう。私が気をつけているのは、『私は典型的な日本人じゃないよ。そういう人に会うなら日本に行ってみるのがいい』と。
例えば日本に住んでいる方々のイタリア人に対するレッテルはどうだろう?男性なら伊達男とかイケメンとか軟派など?いえいえ、そんな訳ではない。これは日本で活躍するイタリア人タレントさんによって作られたレッテルだ。日本人のようなイタリア人もいるし、イタリア人のような日本人もいるだろう。あくまでもその国に行くことでそこに住む人々の景色を感じることができる。
とは言っても根本にあるものはその国民性を変えることはできないのではと考える。在パリ、在ロンドンの日本人も密かに在住国に染まることはあっても行動はあまり元の国とは変わらぬことが多いと日本人として意見する。こちらに住んでいる日本人でも日本で培った教育や文化は良くも悪くも反映してしまう。だから日本と同じトラブルや慣習が日本人コミュニティーの中で各都市で発生しているのは事実。
そんなスターニに『チェコ人ってどんな人たち?』とざっくりした質問を投げかけた。
彼女は少し考えてすぐに、『お金のないドイツ人みたい』と分析した。彼女らしい奥の深い冷静な判断がそこにあった。彼女の返事とともに、私が日本人ってってお題を投げかけられたらどう答えるか?通常はプラスな方向で伝えるのかもしれない。でもスターニはちょっとマイナスに発言した。驚いた。彼女の家族はチェコで暮らしているのに…
そんなことも含め、素晴らしい同僚がまた仲間になって嬉しかった。グローバルという言葉を政治上のイメージで捉えていたが、そうざっくりしたものでは『まだ』ないと分かった。私も彼女のようにありたいと、日本人はこういう人たちですとちゃんと説明できる人になりたいと思った。
ちなみに画像はマナローラでーす。(チンクエテッレ)
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