みなさんこんにちは
このシリーズのバックナンバーですが
↓洗礼堂の入場・時間について
http://aleviola.exblog.jp/19351686/↓洗礼堂:序章
http://aleviola.exblog.jp/19363185/↓洗礼堂:内部 ヨハネス23世
http://aleviola.exblog.jp/19372083/↓洗礼堂:番外編 モザイク
http://aleviola.exblog.jp/19375315/↓洗礼堂:モザイク本題
http://aleviola.exblog.jp/19379048/となっております。順番に読んだほうが分かりやすいよ。
今日は洗礼堂の東側の扉についてお話します。まず、1401年にコンクールをして北側の扉を作る彫刻家を選ぶコンクールを行いました。それを仕切ったのがギルドと呼ばれる同業者組合といい、商人と職人がタッグを組んで組合を作り、これは政治的・経済的に影響を与えたフィレンツェが誇る形態の中でも特に影響力を持った組合の一つである毛織物業組合(arte di Calimala)である。このコンクールでは7人の芸術家が参加しました。そのうち最終まで残ったのがこの二人。

↑ロレンツォ・ギベルティ(1378-1455)
父ちゃん、ロレンツォ、息子と3代に渡ってこの仕事を続ける。

↑フィリッポ・ブルネッレスキ(1377-1446)
彫刻家、建築家。建築家としての彼の功績がいつも注目されますが、私は彼の彫刻も好きです。
コンクールのテーマは「イサクの犠牲」。旧約聖書にでてくるお話で神に敬虔なアブラハムが神のお告げを受ける。「息子を殺せ」と。こんなヘビーな注文を聞いたら普通ぶったまげるだろうけど、アブさんは山に息子のイサクとそそくさと一緒に登る。だんだんとイサクも生贄の羊がないことに気づき、これは「オレおとんに殺られるんだ」と考え始める。最終的には覚悟を決めて親父の刃にかかるつもりでいたその瞬間、アブさんの手を止めるものが!天使が空から降りてきていた。「あんさんの神への想いは本物やね」。で、となりに天使はイサクの代わりの生贄用メーメー羊を持ってくるってのがよく出てくるイサクの犠牲のお話の絵画ですが。
この二人の彫刻家はどのようにこのシーンを表現したのでしょうか?実はそのときのものがバルジェッロ美術館に展示してあります。しかも隣どうしで。

↑まずブルちゃんの作品から。
両手を縛られたイサク君がビビリながらも父アブさんの手にかけられるその瞬間に天使が空から「まった、まったー!」と来た瞬間。

↑次にギベっちの作品。「父ちゃん一気にやったって」と、イサクの声が聞こえそうな、とても堂々とした息子の姿が印象的。
結論はギベっちの圧勝だったが、それでも二人の同時優勝ということになった。納得いかないブルちゃんはその座をギベっちに譲ってローマにマブダチのドナテッロと建築の勉強に行く。のちに彼はドゥオモのクーポラのコンクールに優勝して見事返り咲きをするんですね。私はかつてガイドの勉強を始める前はこのイサクの犠牲というテーマがよく分かっていませんでした。普通に考えたらブルちゃんの作品が妥当だと思っていました。しかし、イサクの心情などを知った今見るとやっぱりギベっちのほうがよくできましたで賞なんだろうね。
実際ペストによって6万人近くいたフィレンツェの人口が5万人にまで減った時代、恐れず堂々とするイサクの姿勢はフィレンツェを奮い起こし新たな時代にがんばっていこうというメッセージとして感じられたとしてもおかしくない。時代をうまく読んだギベっちの勝ちか?
なーんと素人目線で考えていたら、お時間です(泣)。
次回こそ「天国の扉」紹介します。
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