みなさんこんばんは
今年もミラノ・サローネ(国際家具見本市)が始まりました。この件で毎年お邪魔している私ですが、私はこの場所を後にしてすぐに向かった場所があります。
ミラノのドゥオモです。14世紀末から約500年の時を経てやっと出来上がったゴシック建築世界最大の教会です。タクシーを飛ばして順調に進んでいたものの、ドゥオモ近くになるとブロックされてるかのように道の車の列が急にまったく進まない。私はてっきり『終わっていた』と思っていたからおかしいなぁって。すると前方の車たちがどんどんがUターンして反対車線をはしりだした。私が乗っていたタクシーの運転手さんがUターンして向かってきた同業者の運転手さんに窓から聞いてみると。どうやら道が閉鎖されているとか。
私のタクシーも結局Uターンして別の道を選んで行ったのですが、ちょうどそのとき交差する道の前を立派な霊柩車が警備に囲まれて横切りました。あの道路の混雑はこのせいだったんです。慌ててミラノ人の運転手の兄さん、局部に指を指す形で『失礼!』って。これ、日本人がそれを見たとき親指をほかの4本指で隠すのと同じことですね。イタリア男性はこれ、こういう時や墓場の前を車などで通るときやるんです。
やっとのことでドゥオモに到着。まだフェンスで囲いがされており、カラビニエーリ(国家憲兵)の車もたくさんいる。実は、4月9日にミラノの裁判所内にて乱射事件があり、被害者が出ました。犠牲者のうち2名は棺があり、ほかは内々で葬儀をしたいとの希望もあったのですが、一応国葬がこのドゥオモで本日16時から行われていたのです。この国葬には今年2月に就任した第12代大統領マッタレッラや、ミラノ市長、ロンバルディア州知事などが参列しました。
報道陣が少しずつ退去している中、
SKY TG24の女性リポーターがリハーサルをしていたところ、茶々を入れた野次馬がいて、その女性リポーター4はひどく怒っていました。
一般客もやっとドゥオモに入場できるようになりまして、私もたまたま黒いワンピースを着ていたものですから、冥福を込めて入場することにしました。
入り口はかなり入念なチェックを受けました。
内部は私にとっていつもと違った不思議な感覚がありました。
葬儀の際の器具の撤収もまだおこなわれており、
撮影機材もまだ残っていました。
ドゥオモ広場は沢山の観光客であふれていました。毎日のように世界中で沢山の悲しい出来事があり、それをいちいち取り上げることはない
(というのはできるだけ楽しいことをお伝えしたいと思っているから)私ですが、日本でもそれほど大きく取り上げられなかっただろう今回の事件は実はイタリア中を震撼させたトップニュースでした。裁判所という必ず金属チェックを受ける場所でありながら、うまくそこを潜り抜けて拳銃を持ちながら入ることに成功した犯人。
これって、テロリストにしてみれば『イタリアって簡単だ!』と思わせたことでしょう。
フィレンツェの前市長で現首相のレンツィはこの状況に対して警鐘を鳴らしましたが、当然『今更?』という言葉が聞こえてきそうです。いろいろ調べてみると『この対応は遅すぎた』とか、『2015年に入ってどんだけの国葬をしたのか!』などの意見がありました。
私が去年、フィレンツェの裁判所に行ったときはガイドで使う旗棒(ステンレス製の長く伸ばせる旗をつけた棒)の説明をさせられました。小さな町なら・・・というわけではありませんが、ミラノの大きな裁判所がまさかの失態。乱射をした犯人の前妻が子供2人を横に携えてマスコミに平謝りするのもとてもやるせなかったです。
私は写真には撮りませんでしたが、葬儀が終わってもドゥオモ広場に残った20人ほどの遺族か知人なのかが泣きながらドゥオモの前でお話していたのを見ました。いたたまれない気持ちになりました。
今日からミラノ・サローネ、来月からミラノEXPO。これ、国が先頭になってテロ対策を含めた危機管理を本気でやってください!と願うばかりです。日本としてもオリンピックも控えていますし、決して人事ではない話のはずです。
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