みなさん、こんばんは
中央市場。私は2005年の1月からここで働いていますが、今までにこんなに静かで悲しい市場の住民たちを見たことがありません。
うちの店の隣の八百屋で働くニッコロがバカンス先のスペインで殺されてしまいました。バルセロナから70キロほどのリゾート地のディスコで6人の友人達と遊ぶ中、3人の若者(新聞によるとロシア人の20、22、26歳)が暴行したのです。それが起きたのが金曜から土曜の3時ごろ。
大きなニュースとしてイタリアでは報道されました。
そのディスコで行われた暴行をインターネットの動画で見れるようで、みんな見たらしいのですが私は恐ろしくて見ていません。動画を見た人によると多くの人が円陣を組んでその真ん中で暴行が行われたそうです。誰も助けようとせず、友人たちが助けようとしても相手は空手に覚えがあってニコちゃんだけでなくニコちゃんの友人たちもボコボコにしていたとか。
ニコちゃんは温和な好青年の22歳。とってもカッコよく、でも鼻にかけるようなこともありませんでした。八百屋の人たちも気の強い人たちが多く、その中でもオアシス的存在。私は時々野菜を買う時に、くだらない質問にもちゃんと答えてくれたし、出来の悪い私のジョークにも付き合って笑ってくれました。
朝、市場に行くと既に白い胡蝶蘭が飾ってあって、続々とお花が増えていきました。今日に限って市場の住民たちは下手な歌も大声で歌うことなく、口笛をやたら吹くオヤジも全く無言。吠える肉屋の人たちも至って神妙にしておりました。こんな市場は今までにない・・・・し、これからもあってほしくない。
あんないい子が何故・・・
『スペインにバカンスに行くんだ!!』
8月5日からスペインで夏休みを楽しんでいたはずのニコちゃん達。
訃報を知ったニコちゃんのお父さんのインタビューでは『息子は犬のように・・・犬だってこんな風に終わらない』と声を詰まらせて答えた。
テレビ局が来て、市場の住民たちに今回のインタビューをする。だって何を答えたらいいの?こんな悲しいことはない。殺されるような子では決してないし、変な言いがかりに乗るような子でもない。
この八百屋で
フランコが亡くなったのが丁度一年前。フランコの
娘のエレオノーラが結婚してちょっと嬉しいニュースをお伝えしたりしたのに・・・今回の寂しさは計り知れない。フィオレンティーナの試合の次の日は市場にテレビ局がやってきて、素人目から見た試合の結果のインタビューをすることがありますが、ニコちゃんは恥ずかしながら答えていたあの時が懐かしい。
事件のあの時、何故!ディスコで多くの人たちがいたのに見守るだけで誰も助けなかったのか。みんなで束になればこんな終わり方はしなかったと思う。それにしてもなんであんなにいい子が・・・閉店後花束の前で合掌した。ニコちゃんは恋人と家を探して一緒に暮らそうとしていた矢先のことなんです。
ニコちゃん、ご冥福をお祈りいたします。
私たちは君を忘れない・・・
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