みなさん、こんばんは
シエナにて。
春になると同僚も戻ってくる。私のようにあれもこれも働いている人は寝ても醒めても忙しいが、基本ガイドや添乗員などの仕事のみをしていると冬場はシーズンオフになり、長期バカンスを取ったりする。
この日の二人の同僚。ナポリ人のアルフォンソは50日間の旅行から帰ってきた。旅先はインドとスリランカとドバイ。不思議なルートに見えるが本命はインド。3週間をインドで過ごした。土産話は非常に興味深く、アジア、特にインドネシアが好きなアルフォンソらしくノリノリで話していた。またインドには行きたいって相当気に入ったみたい。大きな街はカオスだったインドはあまり良くなかったらしい。でも田舎町が最高だったとか。ガンジス川の沐浴もトライしてリフレッシュした感じ。ドバイは一緒に行った彼女が行きたかったらしく、3日ほど滞在したって。
『もう行くことはないな』と言った。
去年12月の私のドバイ旅行記を事前に聞いていたからかもしれない。先入観からそう感じてしまったのかも…
でもアルフォンソは自然を楽しむ旅行が好きだから、そもそもドバイは彼のテイストでは無かったんだろうな。
もう一人の同僚、フィレンツェ人のカテリーナは正反対の生活をしていた。去年末からガイドの免許を取るべく猛勉強中だ。実はこの度、
ガイドの門戸が閉まる!のだ。
そもそも私がイタリアに住み始めた2003年にはガイドの試験は開催されていなかった。記憶が正しければ、あまりにライセンスを持つガイドの数が少ない為、2006年くらいに門戸が開いたのだ。その頃の私はただでさえイタリア語に自信がない上に、専門用語を使うこの免許に強い拒否反応があった。ガイドになりたくてフィレンツェに来たのに変な話だが、そのへっぴり腰をトンと押してくれた友人のHちゃんは今でも恩人と思っている。ぐずぐずした挙句、2008年から勉強して2009年の1月に無事ガイドの試験に合格したのは奇跡のような気分で、その感覚は忘れようもない。あれから10年か。アルフォンソは去年ガイドになった。カテリーナは自信満々で合格する気でいる。私の時はどんなに優等生でもみんな神経衰弱になって必死に勉強していた。私は泣きながら本を読んだり、美術館で作品の場所を暗記したり、すべての道の名前を覚えたり、寝ている夢の中でも勉強したものだ。ちなみに私は劣等生だった。クラスメートに随分助けてもらった。懐かしいよー
勉強や試験の内容はあまり変わっていないとカテリーナは言っていたが、本当だろうか?
そんな時、知人からアカデミア美術館の入場料について問い合わせがあった。先月お客様と行った時は12.50ユーロだったと思うけど…丁度いい、カテリーナに訊いてみた。
『知らない』
え?知らないの?私の時は入場料からオープン時間、終いにはハンディキャップのある人への対応ができるところかまで覚えなければいけなかったのに。アルフォンソも、『知らない』と言う。
恐らく10年前と違ってスマホが当たり前の時代になったから、そう言うインフォメーションを暗記する必要は無くなったのかも。
だとしたら、別のことを覚えることが増えたのか知らんけど、ね。
フィレンツェ最後のガイドの試験は5月7、8、9日になるそうで、飽和状態になったフィレンツェのガイドのライセンス保持者数がストップする。
もちろんガイドの仕事をリタイアした人もいるだろうから、正確な数字は弾けないが、いずれまた人数が少なくなってきたらガイドの門戸が開かれるのだろう。
いつもなら昼食時の同僚の画像を添付して紹介するところだが、話に盛り上がってすっかり忘れてしまった。私が食したこの日のランチ、アリスタ・アッラ・フィオレンティーナは撮っておいたのでそれで我慢してもらいたい。要するにローストポーク。でも何がフィレンツェ風なのかさっぱりわからないけど、美味しくいただいて、楽しいランチとなったとさ。ちゃんちゃん♪
ブログランキングに参加しております。下の応援クリック2つともして頂けたらありがたいです。