みなさん、こんばんは
今日も市場なり〜。どんな時でも市場は忙しい。国別の比率が変わるだけで、フィレンツェ人だけでなくイタリア人や外国人観光客もたくさんやってくる。さすが観光都市フィレンツェである。今日はドイツ系が多かったが、そのうち海外駐在組のお客様たちも増えることだろう。145年の歴史を持つフィレンツェの台所は暑い中いつもの市場の住民たちによって賑わっている。店によっては夏休みに入りお店が閉まっているところもあるので、7月8月は注意しないと開いているお店ばかりでないことを注意したい。うちは関係ない。市場が開いている時は連動して必ず開けている。それは市場では珍しく当店がシフト制にしているのが強みだったりするからだ。
夏になると子供達が夏休みのため、子供だけで自宅に置くことはしないイタリアで、それでも仕事をしなければいけない親たちは子供を仕事場に連れて行く。今日も市場外にある露店の中には子供が手伝う風景が見られる。何とも微笑ましい風物詩ではないだろうか。
仕入れ元も続々と夏休みのお話が耳に入ってくる。通常は得意先のために事前メールとかあったらいいのだろうが、これもまたイタリアでこっちから聞かないと言わないことも多い。店側としては売りそびれは避けたいので、ある程度の商品確保のため、通常より多めの仕入れを強いられる。すると当たり前だが店の倉庫はエライことになる。幸いにも当店で働くスタッフはみんな通常の体格なので倉庫で細い道しか作られない今の状況は問題なく通り抜けることができる。
が、
私は余剰商品が過度にある今の状況に朝からイライラしていた。酒屋なんだからワインが足りないのは大問題だ。でも倉庫にはリミットがある。そして、限られたスペースを効率よく運営するのも経営側の責任だと思うから、毎日届くワインの箱がはびこる飽和状態の倉庫に呆れて朝から文句を言い始めた。別に私一人がオーダーすることでもない。必要だと思うものを的確な数を営業に指し示すのはとても大事なことである。ある商品が売り切れたとしても、別の商品を売っていくのが経営の裁量に関わるのは当たり前。それを朝からブーブー言っていたのが私。必要な商品を今日は来週まで引き延ばす泣きの状態に陥った。
『いい?みんな自分の家の洋服ダンスだって置く場所のスペースは決まっている。それに度を越えてお買い物をすると洋服はタンスに入りきれない。なら、今までのいらない服を減らすか買うことを諦める勇気も必要でしょ?』
『冷蔵庫もそう。入りきれないものを買って、どうして中に入れられようか?』
実際、私の家はスッキリしていて空間は十分すぎる。家の大きさは猫の額ほどのものだけど、圧迫感は感じられない程度に抑えられている上に、掃除も非常に楽だ。『住む家が大きくなると、荷物が増える』説は私には有り得ないセオリーである。家の大きさに合わせて生きることができるのは自分の長所じゃないかと。これを分かる人は少ないかもしれないが、私の購入ペースと家の物置のスペースは連動する。
溢れたワインの在庫を減らす作業を進めるべく、ワインを売る努力を惜しまない日々が続く。そして夏は真っ盛り。そんな暑くっても路上芸術家たちは街に色合いを与えてくれて、ものが少ない彼らを見て、『同感でーす』と心で応援してしまう毎日が夏が終わるまで続く。そしてクリスマスシーズンに同じ気持ちになるいつもの風物詩。同意できるかどうかは、人それぞれ。
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