みなさん、こんばんは
今日はチンクエテッレに行ってきました。天気いいし、海水浴日和♪
いつものように来たここは、私にとってはいつもではなかった。
ところで『家訓』ってありますか?我が家の変なルールとか。
それに今回は関係したお話なのさ。
学生時代、いろんなアルバイトをした。将来どんなお仕事が自分に向いているか知りたかったから。
本当にいろんな職業を体験して、いい経験を沢山した。そこで学んだ事は全て今までに活かされている。その時に自分に合う将来のお仕事はしゃべるお仕事だとわかった。接客業を選んだのはその為で、旅好きと掛けたらガイド業に至った。このような仕事を全く経験しなかった両親は自分の娘を不思議に思っていたかもしれない。
そんなアルバイトマニアだった私に両親は一つ条件をつけていた。『飲食業』である。数々の家族ルールを破ってきたのに、今の今まで私はこれを守ってきた。理由を聞こうとも思わなかった。ただ飲食店で働く娘は嫌だと言う意味のない説得力を感じていたから。納得いかないルールは無視しても、このルールは守らなければいけないんじゃないかと野生の勘が働いてレストランで働いたことが全くない人生だった。
この日、ツアーのランチを予約した人たちは90人いた。チンクエテッレの食事処は通常週休一日である。それはレストランで働く人のメンバーが変わらず、尚シフト制ではないからだ。いくら稼ぎ時とは言えスタッフも休まないとくたばってしまうのでこう言う結果になる。私のいるツアー会社が契約しているレストランは二つあって、通常はグループごとにその二つのレストランにお客様を配分する。ところが、その契約しているレストランAは火曜日、レストランBは水曜日がお休みとしている為、その二日はそれぞれのレストランに押し込む形になる。
今日は火曜日なのでレストランBに全てお客様が行くことになったのだが、家族経営のレストランBは90席を用意するのに大慌てだった。ここにいつものイタリアの不合理感が出ているのだが、急遽アルバイトを雇うなどのウルトラCを使うでもなく、いつものメンバーでの対応となった為大変なことになった。カメリエーレはたったの2人。無理がある。
私たち同僚は私を含め6人。私たちの席は全く無く、食事を出来ないからお客様たちが食べ終わった頃を見計らって戻って食べる方式をとった。同僚のマルコは対応に見兼ねてお店を手伝う判断をした。他の4人は海水浴で時間を潰すようだ。私は…マルコを一人で置いて海水浴に行くのは気が咎めた。猫の手も借りたいなら私でも何かできるかもしれないと、リュックを端に置いてお店の手伝いをすることにした。
3枚のお皿を腕も使って運ぶお店の人たちとマルコ。私は前述通り、飲食店での経験が全くないものでそんな芸当はできない。皿を割っても迷惑だろうから右手と左手に一枚ずつ持ってテーブルに向かう。ちょっと恥ずかしいけど、出来ないものは無理してやっても仕方がない。お水が足りないければ、空のボトルにサーバーで水を入れてテーブルへ。ワインも同じく。目まぐるしい1時間を過ごして90人のランチは終わった。研修もマニュアルもないまま実践に突入した素人が私だった。もしかしたら私の行動が邪魔だったのではないかと常に心に持ってできるだけのことをやったつもりだ。
ウェイトレスってこんなに大変なんだ。一気に忙しい時間を過ごした後、私は家訓に気づいた。あー、やってもうた!!
そんな怒涛の1時間の後、あの同僚4人が海水浴から帰ってきた。私とマルコはすでに急いで食事を食べ終わる頃だった。うちの家訓を話すとみんな疑問に思っていたがそりゃそうだ、私だって答えは知らない。あとで聞いた話だがマルコはカメリエーレ経験者だった。そりゃ動きが物凄くいい訳だ。未経験の私がもしかしたらお店やマルコの邪魔になっていないか不安になっていたので、『いや、ナギはよくやったよ』と労いの言葉をもらってホッ!お世辞でも嬉しいものだ。
家訓を破ってでも喜ばれるならこれも一善。今日撮った画像と共に全く関係ないお話をした甲斐があったと自己満の一日でした。
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