みなさん、こんばんは
中央市場でーす。今日のフィレンツェは雨が降ると言っていたのに、箱を開けたら朝方ポツポツぐらいで大した事は無かった。微妙に予報が当たらないいつもの降る降る詐欺。気温は思ったより上がってはいなかったけど、朝の雨の分、ちょっとムシムシする。こんな日は何故か購買意欲が湧かないのかしら?ちょっとお暇な1日でした。
さて、暇なら暇でやる事がある。売れない商品をどうしたら売れるかとか。置く場所が問題なら移動してみる。日頃できない場所のお掃除。いくつかのアイテムは半額セールにしたり。倉庫の商品チェック。やる事は幾らでもあるもんだ。
そんなんでお昼に近づくとあまり食べない私でもピッツァが食べたくなった。先週、ガイド仲間のナポリ人と食事中にピッツァの話になった。彼はさすが本場の出身だから語るよね。こんな時はバカな質問も返してくれる。
『ナポリの家庭ってみんなマンマが家でピッツァを焼いてくれるの?』
『実はそうでもないんだ。勿論そういう家庭もあるだろうけど、ピザ生地も大切だけど、窯がとにかく重要なんだよ。高温で焼く。モチモチっとする加減が難しいからピッツァイオーロ(ピザ職人)に作ってもらうのが一番いいのでピッツェリアで食べるね』
『ほー、なるほど。窯が重要…確かにそうだよね。て事は、ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ(1キロ以上のTボーンステーキ)を家でやらないのとおんなじかも』
『そうそう。実は子供の頃、ピッツァイオーロになりたかったんだ』
『あの大きいしゃもじ見たいので窯にピッツァを入れて焼く姿は確かにカッコいいよね。じゃ、ナポリ人の将来の夢はサッカー選手かピッツァイオーロだ』
『アハハ』
『いいかい、窯に入れてからの勝負も大変なんだ。マルゲリータは90秒で焼き上げるのさ』
『へぇー、やっぱり時間との勝負なんだね。それに窯の中で回したり位置を変えて焼き上げる職人芸っていうの?』
『それにカルツォーネ(餃子のように中身が入ったピッツァの変形型)はもっとテクニックが必要なんだよ。うまくやらないと爆発しちゃうから』
そんな会話を思い出したもんだから、無性にピッツァが頭を過ぎったので、これで決定。
中央市場広場にあるナポリ老舗のピッツェリア、ダ・ミケーレのフィレンツェ店へ。こちらもちょっと暇そうだ。そう、市場の人混みと市場近くのお食事処の混み具合は何故か連動するのも面白い。そんなに忙しそうでは無さそうだったので、お店のオーナーと立ち話をする。
『あのね、ナポリ人の友達がマルゲリータは90秒で焼き上げるってホント?』
『それは窯に寄って違うんだよ。ウチの場合は40から45秒だね』
驚いた。同僚が言った90秒の半分の時間で作り上げるとは。時間が短い分、窯の温度調整もさることながら、勝負は一瞬で決まるという事なんだと感動した。天候や事前に作り上げたピザ生地の具合によってもその辺の微妙なさじ加減をして美味しいピッツァに辿り着く。日本で言えば蕎麦やうどん職人と同じ事で、経験値や職人の勘、センスが求められる。これは食べるアートや〜!!美味しかったです。
このお店の過去の記事はこちら
Piazza del Mercato Centrale 22r Firenze
Tel: 055 269 6173
無休。12.00-16.00、18.00-23.00
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