みなさん、こんばんは
シエナでの出来事。先週だったかな?
ランチの時に、同僚のサラとカテリーナと女子会のようなおしゃべりをしていた。
去年のこの時期もそうだったんだけど、オフシーズンに近づくとなぜかおめでたい話題が続く。結婚とかオメデタとか。変な言い回しになるけど、スポーツ選手みたい。カテリーナも5月にガイドの試験に合格し、門戸が閉まるギリギリセーフで立派なナショナルガイドになった。勉強に集中していたため、いよいよ働くぞといった時にさらに『恋人ができたの!』と嬉しい報告が。私とサラは大いに喜んで、白ワインでおめでとうの乾杯をした。
馴れ初めから現在の状況など、ニコニコ話すカテリーナがいつもは男勝りなのに、ちょっと色気があって女は変わるなぁと思ったものである。それからは彼女に会うたびにからかっているが、まんざらでもないからそのまま続けている。誰でも幸せな人を見ると嬉しくなるものだ。私は魚介の冷製サラダを食べながら、ニヤニヤして彼女のいつもより高い声で話す夏のバカンスの出来事などに聞き入っていた。
そんな調子で話していたカテリーナが誤って食べていたパスタがボトンと膝の上に落ちた。少し油を吸ったカテリーナの茶色いズボンにはシミがしっかり。カメリエーラを呼んで小麦粉を持ってくるように伝えた。私は訳が分からずキョトンとしているとその小麦粉をシミのズボンに乗せて指で押し洗いのようなことをしている。彼女曰くシミにはこれが効くそうだ。んなもん聞いたこともない。大丈夫、大丈夫とカテリーナは至って平静だ。イタリアではこうやってシミを抜くのよと言うが、ズボンは白い粉がついたままで結論効果があったのかどうだか疑わしい。
そしてこの前はそのカテリーナとフェデリーカと仕事をした。やはりおしゃべりなイタリア人らしくオンもオフも口がよく動く。そんな時に今度はフェデが黒いズボンにサラダをこぼした。私が『これって小麦粉でしょ?』と合図をカテリーナにするとここぞとばかりにカメリエーレに小麦粉を持ってくるように言った。フェデは前回の私のリアクションをした。なんだー、イタリア人がみんなそうやるわけではないんだと知った。
案の定うまく言ったかどうか分からない粉まみれの黒いズボンにはしっかりシミがついている。粉で多少見えにくくなっている気もするが、いやいやどうして私にはちっとも変わっては見えない。これはカテリーナ家のおまじないのようなものではないのだろうか?例えば子供がシミをつけた時に、お気に入りのおべべを汚してしまって悲しくなった子供におばあちゃんが子供を宥めるようにやるような。カテリーナは粒の荒いこの店の小麦粉に難癖を付けていたが果たしてどうなのか。機会があったらやってみたい。それからと言うもの何故か食べ物をこぼす『幸運』にはまだ恵まれていない。
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