みなさん、こんばんは
中央市場でーす。市場地上階は基本日曜祝日がお休みなんだけど、確実に連休でお休みになるのはクリスマス(ナターレ=12月25日)と26日のサント・ステファノの祝日、それからイースター(パスクア=来年は4月12日)と次の日のパスクエッタの二回のみとなる。だからその前日、市場はお祭り騒ぎで忙しくなる。特に12月24日は市場が一番大切な日となる。食材の買い出しでみんなが両手にあちこちで食材を手に入れた袋を重たそうに持ちながら買い忘れがないように電話で誰かとチェックしている。いつもだったら買い置きのできない前日に買わなければいけない生パスタ屋(パスタフレスカ)パン屋(パニーフィチョ)の人混みを見たりするんだけど、さすがにうちの店も忙しくそんな余裕は無かった。安いワインも高いのも売れる売れる。プロセッコなどのスパークリングワインも動きがいい。計算して仕入れた甲斐があったと言うものだ。
魚屋さんも大賑わいしていたのだろう。一年で一番売れる日かもしれない。この9日間市場の住民達は本当に頑張った。今日さえ終われば夢の連休が待っているわけだから、いつもなら13時過ぎにはお店を閉める肉屋魚屋は17時の閉店時間まで開けていた。実際私が市場を後にする18時ごろでも魚屋は掃除をしていた。みんな疲労の限界まで走り切った雰囲気があってそれも清々しい。
ところがそんなの気にしない店も存在していた。フランチェスカのパン屋だ。そんな彼女と立ち話していたら店じまいしているではないか。時間は14時。前述通りイタリア人はパンを当日作ったものしか食べない(食べたとしても翌日まで)ので商売のポテンシャルが上がると思うんだけど…
『あれ、もう閉めちゃったの?』と訊いたら、
『Chiudo Svizzera』と返された。え、何?意味わからないんだけど…
キウードは『(私は)閉める』の意でズヴィッツェラが『スイス(国名)』。どう言うことなの?ってまた尋ねる。
どうやらスイスのように何も変わらずいつも通りにお店を開けていつも通りの時間に閉めると言うことらしい。聞いたこと無い言い回しだ。
新しいフレーズを知ってウキウキしながらうちのフィレンツェ父息子に話すと知らないと言う。何だ、誰にも通じないのか。自分のスタイルを全く崩さずに14時に店を後にするフランチェスカはある意味お見事だった。商魂逞しいピサに一度留学してみるといい。実のところスイスがそう言う国なのかは知らないが彼女はそう思っていると言うことなのだろう。
そんなこんなで数時間後にはメリークリスマス(ボン・ナターレ)となる。私たち市場の住民の素敵な連休が待っている。
Buon Natale e buone feste

※2019~20年:年末年始 中央市場地上階のオープン時間はこちらから。
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