みなさん、こんばんは
中央市場でーす。このフレーズ、久しぶりですね。
そりゃそうさ、40日ここを訪れていなかったんだから。ではどうして店も開けていないのにやって来たのかと言うと、ちょっとした業務連絡があり、どうしても店に取りにきたものがあったんですね。だからお店は開けていません。
どうです?露店は勿論ゼロです。こう言う風景はクリスマスとかストライキとか本当に限られた時しか無いのですが、それが毎日続いている。歩きやすいって言ったらそうなんだけど、あの雑多が今はひとかけらも無い。ここには人が住んでいるのかと思うくらいだ。
東西南北にある市場への入り口は全てが開いている訳では無い。アリエント通りと中央市場広場を結ぶ市場内の目抜き通りからしか入れない。
さらに、入り口には張り紙があり、団体で動くことの禁止と、人の距離として1m間隔を開けることへの徹底が書かれている。こんな張り紙は誰も見やしないが、さすがにこれらのことはイタリア人にも刷り込まれていて訪れる消費者は言わずに動いている。
市場1階のフードコートは閉鎖されている。よって階段でもエスカレーターでも上ることはできない。
市場地上階内は、およそ半分くらいの店舗が開けていた。開いているお店は主に生鮮で、野菜、肉、魚がほとんどである。バールも休みだから、ちょいちょい休憩してカッフェを飲む従業員たちは大変だろうにと思った。
パオラの店は床に紅白のテープを貼り、1m立ち入り禁止区域を作っていた。彼らは1月から3月までのバカンスを終えた後、このバカコロナ外出制限令がイタリアで出たもので、私にとっては4ヶ月ぶりに会う顔ぶれだ。立ち話を少しして自分の店でお仕事。
レオナルドの果物屋もダンボールで1mバリケード。でもみんな元気そうでよかった。すっかり私は登校拒否のように市場に近づかなかったが、来れば来たで楽しいものだ。あまり長話もできないけど、いつもの顔がある。少し勇気をもらった気がする。市場、これからも頑張ろうって思った。
一つ残念なことがあった。エミリオの肉屋は暖簾を下ろすことにしたと言う。あのエジプト人がここを買ったそうだ。
何か疫病が起きるとその度に市場の馴染みの仲間が減っていく。時代と共に何かが淘汰されたり、新しく生まれ変わったりするのは商売として仕方のないこととは分かっている。今までだってこの光景は経験して来たはずなのに、いつまでも慣れない。
複雑な気分で市場を後にした。
保健省が発表した4月16日、18時現在の数字です。
イタリアは総数168941人。
内訳:106607人の今現在の感染者(前日比1189人増)と22170人(前日比525人増)の死亡者、40164人(前日比2072人増)の快復者となっています。道のりはまだまだ長いようです。
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