みなさん、こんばんは
この記事は私の人生を振り返ったものです。バックナンバーは『なぎさの作り方』で読むことができます。 前回は『12:アーサーにラブレター』についてお話ししました。
私が高校を選んだ理由は以前も話した通り部活動です。受験前には決めていたので、入学すると悩むことなくさっさと入部しました。
一能一芸という言葉が私にとってすごくキラキラしたもので、それは今でもそう思っているのですが、何か一つに秀でているって素晴らしいですよね。いろんなことを卒なくこなすより魅力があるような気がします。夢中で一つのことをして目標がある、それに賭ける気持ちとかで動いたことがそれまでなかったので。短い時間ですが3年間、何かに集中してみたいと思いました。そこで結果が出せれば尚良しですが、そのやり遂げた感って味わってみたかったんです。選んだのは箏曲部でした。
箏(お琴)ですね。
踏み出そうと思わないと私の人生では経験しない世界だと思ったからです。13本の弦を弾いて奏でる日本の音。部では生田流で小野先生という方に師事していました。長年本校で教えに来てくださっているので、私のような初心者にもわかりやすい指導をしてくれます。私はまず姿勢の悪さを指摘され、当初は背中に長い棒を入れながらの練習でした。正座も慣れるまで時間がかかり、その3年間で座りダコは硬く立派なものを持っていましたね。右手の3本指に象牙の爪をつけて奏でる楽器が箏ですが、左手も弦を弾いたり押したり揺らしたりして使います。素晴らしい楽器です。
練習は朝練と午後練があり、日曜や夏休みもやるので要するに毎日です。経験者の方もいましたが、みんな仲良くやっていましたね。音楽なんてセンスが必要なこと、素質があることなのはわかっていたんです。でも別にプロになろうと思った訳でもないし、きちんとした指導を受けられるのは魅力的でした。箏だからチントンシャンってなま緩いものではなく、大会も地方戦からあってスケジュールはハードで厳しいものでした。
結果が伴えば努力も報われます。全国総文でも毎年みんなで出場できたし一番にもなれた。いろんなところに遠征に行けたのも旅行気分で楽しかったですね。
変な偶然ですが、箏曲部の顧問が前々回お伝えしたあの校長の兄弟で、私は素行が悪かったからいつも目をつけられていましたが、退部させずに残してくれたのはありがたかったです。多分ヒヤヒヤしていたんじゃないかと。何か問題を起こせば部の長年の実績にも泥を塗るだけでなく、コンクールに出場も白紙になる可能性がありましたから。
朝練はほぼ毎日一番早く部室に行って自主練しました。面白い楽器だったのでちっとも飽きませんでした。家にも箏はありましたが近所迷惑になってしまうこともありますので大いに弾きたい時は学校へ好きな時に行って勝手に弾いていました。今では弾くことはなくなりましたが、それまで覚えた手の動きを忘れたくなくって時々そらで弾きます。だから今でも大体できると思います。
誰でも知っている曲と言えば宮城道雄作曲の『春の海』でしょう。お正月によく流れますから。でも私は彼の作曲である『瀬音』が今も変わらず大好きで、大部分がアップテンポで難しいんです。通常5分くらいの楽曲ですが、舞台に立つと走ってしまい一度3分を切って演奏し切ったことがあります。大忙しです。
結論3年間、箏を学んだぐらいでは一能一芸とは言えませんが、少なくとも3年間必死で練習したから予定通りそんな気分も味わえました。私の学生時代で唯一夢中になったのは箏くらいです。部員の何人かは一能一芸で大学に進学する人もいました。通常の試験を受けなくても大学に行けるシステムで、早稲田や立命館などが有名です。亜細亜大学もありましたね。昔はてっきりその枠を使うのは芸能人ばかりだと思っていましたがそうとは限らなかったみたいです。
高校3年間なんてあっという間でした。
高校に入る前から私は学校生活などあまり重要でないと思っていましたし、今もそう思います。これは学校の存在意味が無いと言っている訳ではありません。私においてはの話です。将来の方向性が決まっていたのに、親の希望も叶えたいって八方美人なところが私にあるから行ったようなものです。高校に通って得られるものはたくさんありました。思い出もできました。しかし社会に出てしまっても別の得られるものがあったと確信していました。いずれにしても自分が考えて決めたことなので後悔はありません。授業だって大人になって何の役に立つのかいまだにちょっとわかっていません。大人はこう言います。『今は必要ないと思っても大人になればその重要さがわかる』。果たしそうかというと分からないですね。やっぱり必要なかったと思います。
高校3年生。私は進路をまた考えないと行けなくなりました。高校で私がちゃんと勉強をしたのか、次回はその話をします。
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