みなさん、こんばんは。
中央市場でーす。朝は15度にも行かないほど肌寒く、日中は10度ほど上がって少し暑いかなって感じです。こういう時は着る物困りますよね。私は脱いだり着たりするのが面倒臭いさんなので、昼間の気温に合わせます。だから朝は少し寒いなぁと思いながらの出勤です。
市場地上階の床工事が再開して、ガテン系の兄ちゃんたちが昼になるとご飯を食べにうちの店の前もうろちょろするのですが、たまたま金髪の可愛い女の子が2人通ったんです。
『オー、ビューティフル!』
こんな言葉をわざわざ彼女たちに聞こえるように呟く兄ちゃん。
犬には犬の本能が、猫には猫の本能があるように、人間にも本能があると思いはしますよ。しかし、同じ人間でも日本人とイタリア人の本能というかDNAというかはやっぱり違うんでしょうね。自然に口からこれらの言葉が出てくるのは大したものです。昔市場でお世話になっていた店のオーナーのオヤジもそうでしたが、日頃全く働かないでプラプラしているくせに、ふと金髪の美人が通ると声をかける。
『ボンジョルノ〜。キャナイヘルプユー?』
…男ってのは。本人は、ちょっと変な声になっているのも気づいていないようです。美人さんも突然の声がけに苦笑い。ま、そうなるな。
美人を褒めるのは男の務めだとイタリア共和国の憲法にでも書かれているんでしょうか。
でもこんな風景を幾度となく見てきた私としては、もうニヤニヤが止まらなくて、こんな国があってもいいんじゃないかと思うんです。可愛い子や綺麗な人はこんなのいい慣れているだろうから特に反応はしません。そしてお世辞で言う褒め言葉と本気のセリフは毛色が違うんですよ。んなこた私だってわかるんだよな。渋谷や新宿のナンパとは違う不思議な景色があります。いや、完璧でしょ。ナチュラル〜ゥ♪
美味しいものを食べて、
『うまーい!』って無意識に言うように、
スネを角にぶつけて、
『痛い!』って反射神経で言うように、
朝の寒い風を受けて、
『さぶっ!』とつい言ってしまうように、
美人を見つけて、
『オー、ビューティフル!』
ってか。あの兄ちゃん軍団でそう吠えたのは1人だけでしたが、仲間は無反応でわざわざツッコミを入れるセリフもありません。日常そのもののことだからです。これこそ自然な反応でどこの誰であろうがこれこそがイタリアスタンダード。
やっぱりこの国はちょいちょい面白いんです。イタリアに旅行に来たら、あれを観るこれを食べるなどガイドブックに載っているものが気になるのは当然ですが、実は実はこんなどうでもいいことが旅の楽しみであったりもするんです。
やっぱり旅行は訪れて感じるものだと改めてそう思います。
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