みなさん、こんばんは。
中央市場でーす。
昨日、店を閉める30分くらい前のことでした。
明らかに家族、しかし買い物といった顔つきではない。この感じ、知ってるぞ。
『商品持ってきました〜』
頼んだものが届いたとかそういうんじゃないんですよ。要するに飛び込み営業です。
お父さんらしき人は南の、そうねぇカラブリア人みたいにも見えますが。
お母さんとお子さん2人の合計4名。お子さんって言っても中学生くらいかしら、お姉ちゃんと弟って感じ。そして大きな段ボールを持っています。お父さんはお相撲さんみたいに体の大きい方でズンズンお店に入ってきた時はなかなかの圧がありましたよ。子供に指示をするとテーブルの上に商品を並べ始めた。
リキュールやお菓子などを取り扱っている作り手さんらしいです。
いやー、もうステファノ帰っちゃったよ。でもこういう時は門前払いすればいいとも限らないんですよ。作り手さんが営業をつけないで売り込みに来るってことは、それなりに良いこともあるのです。一応色々見せてもらって商品について教えてもらったりします。娘さんがしっかりしていて、頼もしい。
その中でちょいと気になる商品もあったけど、食いつくと逆に足元を見られることも。軽く興味がある程度にしておいて後はステファノの宿題にとっておこう。
決して珍しくないこの手の売り込みですが、商品の質も勿論のことですがとどのつまりは人間同士の付き合いですから相性ってことに落ち着くことが多いです。どんなにいい物を作っていても相手がなかなかの腹黒だったらやっぱり決裂してしまったり長続きしないのです。
そしてこの家族…どうやらパスタで有名なグラニャーノからの作り手さんでした。彼らの聞き取りにくいナポリ訛りを耳にしながら、飛び込み営業とフィレンツェ観光も兼ねていらっしゃってるのかなーなんて考えちゃったりして。
1月2月の閑散期にこうやって商魂逞しく家族で店を回っているのかと思うと、やっぱりイタリアっぽいなぁと感じました。
かつての日本でもそんなことがあったのかもしれません。しかし家族で『買ってくれ』というものでは無く、単独で営業に行く、例えば子供1人でとか母親が1人でとかが行商をする、昭和のドラマや映画のワンシーンにあったりしました。しかしこっちは家族でやるのよー。単発タイプもありますけど、家族のは毎回グッときちゃいますね。
家族商売なんだろうね。それに子供が親の仕事についてまわる。親の姿を見るってのがいいなって、それを見ている私も頑張れー、うまくいくといいねーって応援したくなっちゃうのです。