みなさん、こんばんは。
あっちもこっちも人だらけ。
これが毎日続くのか。ローマに旅する謎のキャンペーンが個々で起きているようです。そんな私もローマに来ているんだから言えた口ではない。
言い訳させてもらうと、
『Flixbusに乗りたかっただけでー、ローマに安く行けることが判明したからでー、
たまたまローマの友達が空いているっていうからそりゃ行くっしょ!』
からのローマ上陸です。深い意味もなくのローマです。他の観光客の方々のような思い入れや素敵な理由はそこにありません。むしろローマに来るたびローマ人の誰かしらとやり合うことがあるくらいで、ここに来ることはやぶさかではありませんが、いざこざが起きる確率が100%に近いのが現実です。どうしてかな、私が悪いのかな?
それより休憩よ、休憩。
私は観光とかどーでもよかったのです。友達と喋って安っすいバスでフィレンツェに帰りゃミッション達成ですから。
あまり遅くなったら友達も家族の夕ご飯作らなきゃいけないし、早く落ち着いて時間を過ごしてとっととお開きだ。
てなことで彼女が帰宅のために使うバスの停留所近くでお茶をする。隣には劇場があり外には入場を待つ人たちで溢れています。
外のテーブル席でお茶だけしますよってことを伝えて座る。友人が、
『コーラっていくらですか?』とウェイターに訊く。
『んーっと、5ユーロかな?6ユーロかな?』
『メニューないんですか?』
『メニューありません』
驚いた。客ナメてんのか!
先方、ちょいとイタリア語の話せるオリエンタル観光客がやって来たと思っての対応でしょう。メニューがないなどあるもんか。
余談ですが、イタリア語の話せる日本人観光客だって少なくありません。趣味で語学のお勉強していたりって方もいらっしゃいますからね。
マッキアートを2つと水一本頼んでひとしきりくっちゃべっていよいよお会計です。その前に私は今しがたの友人とウェイターのやりとりを聞いた後、すぐに友人にガイドの免許をテーブルの上に置くように伝えました。
『これ、効くと思うよ』
友人は恐らくいぶしがっているようでした。私にはちょっとした確信があって、このような観光地ではガイドを敵に回す行為はヤバいと理解されてると思っていました。このウェイターがどうするかを見たかったのです。ガイドのコネクションで店の悪い噂は流されたくないと思っているに決まっている。
ウェイターは私たちに店の中のレジで支払いを済ませるようにと伝えました。
私は首からガイドの免許を下げて、腕をグルグル回しながら乗り込みます。さぁさぁ、どう出るんだ!オラオラ!!
するとオーナーらしき人が値段を弾き出して、
『6,10ユーロ』
あ、普通の料金だ。席が外のテーブルですから少し上がるとしても少し安いくらい。
水が2,50ユーロって言ってたから、カッフェが1,80ユーロずつってことか。ほほぅ、首の皮一枚でセーフだな。
友達はレシートももらってガッツリ確認している。強気な私の鼻息が感染ってしまったようです。
ここで私がお伝えしたかったのは何もガイドの免許が桜の代紋だとか黄門様の紋所に使えるなんてことではありません。
例えば腑に落ちないことがあったら納得するまで確認しましょうって当たり前のことなのです。うちの店でもあります。いくつも商品を選んだ後で一度計算したお会計をもう一回金額の確認をお願いする方。たとえ後に列ができていたとしても払う前にちゃんとしたいって思うお客さんはそれなりにいます。必ず店側が合っているとは限りませんし、勿論お客さんの勘違いってことも同時にあるのです。なんか納得できないままモヤモヤしてその想いを抱えたまま旅をするのは不健康じゃないかと思いませんか。
たらればの話ですが私たちがガイドだと知らなかった場合に法外な請求があったら私は迷うことなく警察に行くと思います。メニューがないとか金額がわからないなどの不信感を煽るような態度が私をムキにさせたのかもしれません。疑うのではなく、確認だってことが分かればお店も何も後ろめたいことはないはずで、普通に対応してくれるはずです。気になる方はお食事のお会計など、しっかり確認してから済ませるようにしましょう。シャイな方にはハードルが高く感じる行為も、いざやってみると大したことではありません。
おかしいと思った時点で店を後にすれば良かろうと思った方はご尤も。実のところ私はあの会話でその後がどうなるか好奇心があったという一面を持っているんです。虎穴に入らずんばの回。とはいえ、効くねぇこのパテンテ。
続く