ジェノヴァが誇るかつてのホテルコロンビア。
ってのは正確ではありませんね。ホテルコロンビアって名前の建物でした。
現在はジェノヴァ大学の図書館として使われておりますが、地上階建物を入るとすぐのホールは自由に見学が可能で写真を撮ることもできます。
ここには1820年代にノヴァーラ侯ジュゼッペ・ファッラッジャーナが依頼したファッラッジャーナ宮が建設されました。その後この建物は壊され、1920年代にイタリアの航海会社によってホテルコロンビアが建設され、すぐにSTAI(Societò Turistica Alberghi Italiani、イタリアホテル観光協会)に引き継がれました。建物とそのサービスは高級ホテルの印象を与えることが主な目的で、そのターゲットとしてはアメリカから出発する大西洋を横断する裕福な顧客向けとさレていました。
素敵なホテル、優雅で最新。ため息が溢れます。
建設は1921〜28年までかけて作られたものです。
1929年2月にホテルは開業します。
200以上の部屋にはほとんどに専用バスルームが備えつけられました。スイートルームは12室、プライベートテラスとバロック調の家具が使われました。しかし予定されたプールの建設は実現しませんでした。
当時の最先端とは、6台のエレベーター、7台の貨物用エレベーター、10台の電話機、これらが取り入れられていました。いつでも使えるビュッフェ、焼きたてのパン、ランドリー、アイロン、速記サービス、理髪、電報、無線など。すべて専門の人たちが対応に当たったそうです。
1935年にエクセルシオールと改名され、グランドホテルコロンビアエクセルシオールとなります。
館内から見えるプリンチペ駅の近さがよくわかりますね。
第二次世界大戦中はここにはドイツ領事館とドイツ最高司令部が置かれました。鉄道の駅に近いことからホテルは危険にさらされます。後に第5連合国軍の本部が置かれます。
これら騒乱が終わると爆撃を免れたホテルは贅沢で華やかな休暇を求める元の顧客体制に戻り、映画の有名人なども滞在しました。1965年にはビートルズも滞在しています。
ホテルの低迷は大西洋横断定期船の消滅によってもたらされました。1989年3月3日、ホテルは完全に閉鎖され、今から7年前にジェノヴァ大学の図書館となりました。
現在地上階の部分はその雰囲気を残しつつ、いくつかのパーティルームは展示会や会議などにもつかわれています。
床の寄木細工や柱の木彫りなども当時のままで非常に美しかったです。
身分証明書を提示してロッカーの鍵を受け取ります。手荷物を預ければ上の階も行くことができます。
至って普通の図書館ですが、
ホテルコロンビアの看板が残っていて壁に貼ってありました。
本当はさらに上の階にも行けるのですが、スタッフ不足で現在は閉鎖さレていました。残念です。
しかしとても丁寧な対応をしていただき、往年のジェノヴァの繁栄を早速目の当たりにしました。
ついでにお手洗いも借りてバッチリです。
ようやくジェノヴァの街歩きをスタートしましょう。