ボローニャを出発してさらに進んでおります。ここからパドヴァへの道は比較的平坦な風景が続きます。お米が有名な産地であるこの辺りですが、以前行ったフェッラーラのレストランを思い出します。懐かしいのと同時にいつかまた訪れることがあるんじゃないかしら。レストランのためにハイヤーを雇って駅から遠くまで訪れたあの経験は2018年のことでした。
グラッツィアおばあちゃん、元気かな?
結局景色を見ているとボケーっとしてても起きていてしまうものです。時間としてはかなり予定より遅くなっているみたいですが、大丈夫でしょうか。
だってこれからフェッラーラにも立ち寄るんでしょ?ま、パドヴァに30分到着が遅れたとしてもまだまだ9時ですから、そんなに慌てることでもありません。ところがバスはフェッラーラを無視してズンズンとパドヴァに進むじゃないですか。どうした、忘れたか?と思いましたが、もしかしたら立ち寄る理由がなかったのかもしれません。乗降する人がいなかったとか。
それならそれでも構いませんけどね。
よって、時間より20分くらい早くパドヴァに到着しました。そこはバスターミナルでも何でもない場所で、そっか、そんな場所に着くってパターンもあることを知りました。こんな何もない、線路は微かに見えますが、駅まで遠くないはずなのにどっちに行くべきかも判断できないような場所です。随分辺鄙なところに置いていくのね。
相変わらず乗降の確認をしないバス会社の人たち。私がしれーっと乗っていたらヴェネツィアまで連れて行ってもらえることでしょう。しかし、ヴェネツィアのメストレ駅からパドヴァに電車で戻ってこようとしたら15分で着くものの3,80ユーロ料金がかかります。勿論そんなバカなことをする訳もなく普通に下車しました。
何もなさすぎて怖い。
ふと目に入った安宿らしきホテルがあったので、目印になるかもしれないと撮っておきました。気軽な気持ちでパチっと撮ったこの画像が後々私を救うものになるとはその時思いもしませんでした。思わせぶりですが、本当の話です。
とりあえずグーグルマップにおんぶに抱っこでまず電車の駅であるパドヴァ駅を目指すことにしました。駅の構内にはツーリストインフォメーションがあります。直接チェントロまで行ってもいいですが、素敵なバールがあればのんびりしてもいいし。
そんなに難しい道ではないと勘で歩き始めたのが行けませんでした。真逆の方にせっせと歩いていて、グーグルマップ上の行きたい方向と私の位置が遠く離れていきます。慌てて近くに歩いている爺さんを捕まえて方向転換。ところが線路を越える陸橋のようなところを歩いてやはりおかしいと来た道を戻り、今度は掃除のおじさんに。快く丁寧に駅までの道を教えてくれました。
到着すればなんてことはない。どうしてこうも道を間違えるのか、ジェノヴァの二の舞です。
学ばない女、なぎさ。
いいもーん。時間はたっぷりあるからさ。見るはずのなかった景色を迷子のせいで経験できた。ツイてるって思おう。ほらほら、トラムだぞ。パドヴァのトラムは青いんですね。2007年から動いているようですので、フィレンツェと歴史はそんなに変わらないようです。
駅に到着するとツーリストインフォメーションがまだ閉まってる。9時までまだ20分もある。トイレにも行きたくなったのでちょっと休憩して9時ごろまた戻ってこよう。
ところが9時をすぎても事務所は閉まっています。おかしいなと良く見たところ9時オープンは平日で、日曜日のこの日は10時オープンとしっかり書いてありました。朝っぱらから小さなミスの連続です。
みなさんもご注意ください。平日は9〜19時、休日は10〜16時ですって。
参ったね。とりあえず旧市街に行くしかないな。
ふと目を上げるとジョットのフレスコ画と共に、
『パドヴァ、すげー!俺たち世界遺産』(とは書いていない)
との文句が。そうだ、真っ直ぐ進めばスクロヴェーニ礼拝堂がある。予約はしていないけど、一応そこに向かってみるか。歩いても15分くらいでしょう。このためにパドヴァを訪れる人がどれだけいるのか。ジョットはフィレンツェにも沢山の作品を遺しています。これは挨拶くらいはしないと失礼よね、ってな軽い気持ちで今度はスクロヴェーニ礼拝堂を目指して歩くことにしました。
日曜の朝。誰もいない。駅前のメインストリートなのに。
この一本道で迷ったら、私本当にクズだなって思いながら進みます。
つづく