パドヴァは運河があって、ヴェネツィアのそれとはまた違った雰囲気ですが人が生きるには水が必要。だから古い遺跡がたくさん出てくるのですね。
川向こうに見えるのはアレーナという公共庭園です。ここには西暦70年ごろに造られた古代ローマ劇場の跡があります。ヴェローナのアレーナと大差ない大きさだったようで、当時のパドヴァの経済的繁栄を示したものの一つですね。それも中世には採掘場になってしまったため、アレーナは現存することはありません。
庭の入り口にはジュゼッペ・ガリバルディの像が。
この方、どの町に行ってもいるねぇ。
14世紀にこの地域は裕福なスクロヴェーニ家が購入し、彼らのパラッツォ(1803年に取り壊された)と礼拝堂がありました。
私、その礼拝堂に用があるのよ。ジョットにご挨拶よ。
さ、礼拝堂と博物館への入り口がありました。ジョット:ソット・レ・ステッレですって。スクロヴェーニ礼拝堂の夜間限定入場のご案内ね。3月25日〜11月4日、12月27日〜1月6日(大晦日、元旦除く)の19時から21時20分に入場できるそうよ。とりあえずチケット売り場がある市立博物館に行ってみた。
ここが地味だけど市立博物館(エレミターニ美術館)の入り口です。入ってチケット売り場で掛け合うと、
『ごめんなさいね。今日は予約でいっぱいなの』とシニョーラ。
そ、そうよねー。私が予約もしないで来たからこうなるわけさ。また来りゃいいもん。それでは博物館だけ覗いていくとするか。朝方でまだ人が多くなかったものですから、くだらない話をずるずると窓口でしていました。マップが欲しいけどインフォメーションが閉まっているからさーなんて言っていたところシニョーラがマップをくれました。私みたいのが時々いるんでしょうね。裏から出したところを見ると特別にもらえたのかな。優しい。
荷物を持って中に入れないため、リュックを預けていたところ、そのシニョーラが私を呼ぶ。
『あなた、すぐに礼拝堂へ行きなさい。入れてあげるから』
え、本当ですか?ありがとうございます!
礼拝堂は一回の入場が25人と決まっています。深々と頭を下げて、建物を出てからスクロヴェーニ礼拝堂へ急ぎました。
ダメなものはダメというお役所仕事が染み付いた私は日本人。
情に絆されて取り計らいをしていただいたのか、フィレンツェからの外国人ガイドを今後のために受け入れてくれたのでしょうか。理由はわかりませんが、粋な対応に私は感動ひとしおでした。ボローニャの塔の時も、ジェノヴァのチケットセンターやインフォメーションもとても優しかった。
全く違う話ですが、知人が小学生の時にサッカー選手のロベルト・バッジョに会いにフィレンツェに来てこれまた偶然会えて、さらに高校生の時にまた会えてその話をしたら家まで招待されたってことぐらいイタリア人ってのは不思議な人たらしが多いような気がします。
なんか、興奮してきた。
私、これからジョットの傑作に出会えるのね。
つづく