じっくり見学していたらなんか終わらない。
これは大変だと上の階にあるピナコテーカで絵画を観ることにしましょう。
これまたどんだけあるんだってくらい部屋と作品が多くって。
絵画か古代の出土品か、どっちから見たって集中力は続かないもんですね。私がウフィツィ美術館でのガイド最長時間は5時間でした。途中休憩を挟んだもののあの時は本当に疲れました。今回は仕事じゃないけど、色々見たいじゃないですか。でも全ては不可能なので、画像に残っているいくつかを紹介したいと思います。有名なものとかもありますけど、完全に私の主観でお届けします。
しかし展示の仕方が特殊で、この通路では中庭が左に見えて、右側に絵画、通路の真ん中に小さなブロンズなどの作品がガラス張りで左右に陳列された形で並んでいました。こういう時って困ります。私は右側の絵を一気に見てまたこの位置まで戻り、それぞれのガラス張りを一周しながら見て回ったので随分と時間を取られました。どういう鑑賞の仕方が正解なのかわかりませんが、非常に効率が悪いやり方です。
小さな聖母子ブロンズ製の作品。どちらかがフィレンツェ(15世紀後半)でもう一つがパドヴァ(15世紀終わり〜16世紀初め)のものです。
フィレンツェのは向かって左側です。
パドヴァはヴェネツィアが近いからそっちに引っ張られた傾向があるはずなんですが、この2体をずーっと見て時間が大分経ってしまいました。
キアーラ・ヴァロターリ(1584 Padova - 1664 Venezia)が描いた裕福なお坊ちゃんお嬢ちゃんの肖像画。女流画家がまだまだ珍しい時期ですが、お父さん(Dario Varotali ill Vecchio)と弟(Alessandro Varotali)も画家でした。目一杯のおめかしをした子供たちを見ながら当時の流行りの服や髪型を知ることができますね。
そのアレッサンドロ・ヴァロターリに師事したピエトロ・デッラ・ヴェッキア(Pietro Muttoni detto Della Vecchia)ってヴェネツィア人画家の作品、ダヴィデ。ダヴィデが首チョンパした敵のペリシア人であるゴリアテの頭をイスラエルの初代王様であるサウルが持っていて、後ろに赤い帽子を被ったダヴィデがいます。2人のお互いを見つめる眼が微妙な関係を著しているというか。この辺って旧約聖書を知っていた方が面白く感じるのでしょうが、これもじっくり
見てしまった作品です。
大分経ってからようやくこの美術館のダメなところが見つかりました。とにかく椅子が少ない。私は何度も座りたくて疲れてしまったのですが、もし椅子やベンチがあったらこんなに辛いことはありませんでした。昨日も話したジェノヴァの白の宮殿は至る所で座れたのですけど、ここは本当に少ないです。
とうとう私は誰もいなかった係員のための椅子に腰掛けてしまったくらいです。
死せるキリスト。
グイード・マッツォーニ(モデナ1450-モデナ1518)の作品。テラコッタを使った作品が多い彼のキリスト像がなぜか惹かれてこれもずっと見ていました。
美術館でも終盤になった頃、ようやくベンチを発見。座ったものの目が限界で一度外に出ようと思いました。
9割ほどは見学したつもりです。あともう少しだったけど…
一度預けた荷物を持って中庭にあるバールに行きました。カッフェで休憩したのですが、この後また続きを見ても頭に入らないだろうと続行は諦めました。ちなみにここではパスタなどもいただけます。また荷物を預ければ閉館まで美術館への再入場は可能です。
地図を見ながらこれからの対策を練って不完全燃焼でここを後にしました。
他にも見どころがたくさんあるパドヴァですが、13時はとうに回っています。
バスが出発するまであと4時間半ほどあります。
散歩をしながら気分転換しましょう。
つづく