かつてのチスパダーナ共和国にいます。
え?レッジョ・エミリアじゃなかったの?
はい、そうです。かつてここはチスパダーナ共和国でした。期間は短いですが、そんな事があったのです。
オーストリアとの和平調停後、ナポレオンはロンバルディアとエミリアロマーニャの併合をします。1796年10月にエミリア・ロマーニャのモデナ、フェッラーラ、ボローニャ、レッジョ・エミリアはチスパダーナ共和国になり、一方ロンバルディアではミラノ公国が無くなりトランスパダーナ共和国ができました。この両共和国が翌年1797年7月に合併してチザルピーナ共和国になったのです。1798年5月11日の布告によりトリコローレ(三色旗)が採用されました。初めてイタリアでトリコロールの国旗が誕生したのがここなのです。元はチスパダーナ共和国の際に既にイタリア国旗の3色が選ばれていました。
よってイタリア国旗の誕生の地でもあります。
この国旗はフランスの国旗からインスピレーションを得ているもので、旧体制の国家に対する自由の象徴でした。
市庁舎の裏側にまわると、トリコローレ美術館があります。3階建の内部には地上階が現代アーティストの作品が、そして1階2階には歴史的なものが展示されています。パスクアでもやっているということで訪れてみました。
日本人の作品も2つ見つけちゃいました。
ミラノに長く滞在され、5年前にお亡くなりになられた長澤秀俊さんの作品(2013)や、
清水哲郎さん(1958- )の作品もありました。どちらも海外で評価を受けている芸術家ですね。
上の階はこんな感じで、面白く見学できました。入場無料なのでお時間がある方は行ってみては。
私が気になったおっさん。ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世の大理石像。イタリア王国の初代国王(在位1861-78)になった人ですね。イタリアの街で象を見たり、通りやモニュメントの名前になっているのでよく聞かれるお名前でしょ。
これ、19世紀の作品なのですが、ヒゲよこのヒゲ。立派ですね。鼻の髭先がピーンってなってる。これは大袈裟じゃないのがすごい。
ほら、こんな感じ。これも19世紀に描かれたものです。
やろうと思ってもできないもんです。そりゃピーンってやっちゃいたくなりますよね。イタリアに旅行された際にはこんな彼の姿をどこかで拝めると思いますよ。
イタリアの国旗がここから出てきたというのは町の自慢でもあるのでしょうね。
どんな小さな町にも誇れるものがあるって幸せな事です。
再びドゥオモのある広場に戻ってきました。一度ドゥオモに入ったのですが、ミサ中だったようなので早々に退散したのです。夕方にもなると問題なく入れそうです。被昇天のマリアに捧げられた教会です。歴史は古く9世紀まで遡りますが、さらに古く4世紀のローマ宮殿があった場所に6世紀ごろ教会ができたと言われています。
八角形の特徴的な上部には16世紀に造られた金メッキの銅製の聖母子像が鎮座しています。3.6mの巨大な黄金のマドンナです。聖母子像に控えるのは出資者ですね。
内部は三廊式でラテン十字の作りになっています。しばし休憩。休憩の多い旅です。おばちゃん、疲れちゃったよ。
そして面白いことにドゥオモの並んで洗礼堂があります。
画面左に見えるのがそれ。
12世紀に建てられたのを15世紀ルネサンス様式に変えられました。残念ながら入れないですね…
さ、そろそろ駅に戻りましょうか。
次回は最終回です。そして総括。
つづく