みなさん、こんばんは。
中央市場でーす。
気温、少々高くなりましたね。いよいよ何着ていいんだか解りゃしない。
まだ不安定な天気予報ですが、気温は確実に上がっていくようです。ま、普通に考えりゃ夏に向かってるんだからそりゃそうだと言われそうですが、やっと、やっとよ。去年のヨーロッパは猛暑でニュースになるくらいでした。寒けりゃ暑さを求め、その逆もあり。それを毎年繰り返してるんだから人間って学ばないよね。とにかくもう少し暖かくなってほしいし、ダウンジャケットも洗いたいのであーる。
『おう、聞いたか?』
そんな枕詞で始まる市場の住民たちの井戸端会議。噂好きで、どんな連絡網よりハイスピードで情報が伝わる。難を言えば尾鰭が付いて真偽が怪しくなることも。話半分で聞いてりゃ笑い話で済むものばかりですが、ネタの出どころを鑑みるとどうやら本当っぽい。
以前記事にもしたことがある話ですが、去年あたりのことでしょうか。
出店される新しい店は今後前任の店舗と同じカテゴリーとして商売をすること。つまり、魚屋が店を手放した場合、新しいオーナーは魚屋として営業すること。ざっくり言うとそんなルールになりました。もちろん新しい商品をおいてもいいんだけど、以前の店舗を引き継ぐ形になるのである程度のパーセンテージが課されるのです。
例えばレオナルドの果物屋。レオは店を辞めましたが、先月より新しく店を引き継いだディアナは現在果物や野菜を8、9割扱っています。ステファノもイヴァンのパン屋を引き継いで店を出しましたが、やっぱりパン屋。そういうこと。
これはある意味のメリットがあり、ここ15年近くで随分市場の均衡がおかしくなっていたのは事実なんです。市場には住んでいる人も買いに来ますし、イタリア人だけでなく海外から観光客も沢山来ます。そうなると売るものや扱う商品、商店だけでなく飲食店が増えてきたり変な感じになっていくのは時代の流れもありますが、根本である『市場』の存在が薄れないようにするには規制や制限を設けていく…
私は賛成なんだけどね。生鮮食品がどんどん減っちゃって、新しい店が飲食店ばかりになったら市場って呼ぶのはいかがなものかと思っちゃうんですよ。
で、今回はどんな話になったのかと言うと、
どうやら数年前に遡ってそれを適用しようと決まったらしいのです。前述通り、そのルールは去年から導入されました。よって、それより前にお店を全く違う商売に切り替えたところはアウトにすると。
問題はいつ頃まで遡ってそれら店舗に警告するのか。うちの店に関しては酒屋が酒屋になったのでまぁ関係ないお話です。
しかしここ5、6年くらいに開店したところで以前あった店と全く違う商売をしているところはすでに名前が挙がっています。2005年から市場で生計を立てていた私としては前の店がどんなものだったか、それなりに覚えているのです。
狂牛病や鳥インフルで泣く泣く店を閉めた肉屋さん達。あの頃売っちゃって新しい店は別の商売を始めました。あそこまで遡るのかね?
噂レベルではそこまでいかないんじゃないかと。もう言い出したらキリがないですもん。じゃあ、その線引きってどうすんのさ。
そして去年の新しいルールをうまく逃げ延びたお店たちは今更商売を元の店に戻せってできるのかね?生活どうすんのさ。
戦々恐々としている店もあれば、興味津々で盛り上がる市場の住民たち。
そんな理由もあり、市場地上階は一悶着ありそうだ。肉屋の経験がない店が肉屋になったりするのか、オーナーが店を手放すのか。
混沌とする中、店舗は買ったもののオープンできないでいるお店も現在あります。いつ開くのかな?って思っていたらそう言うことなんだ。情報がはっきりしてから改装しないと初期費用が余計にかかっちゃいますもんね。
市場に来る人には大した話ではないでしょうけど、私は変な揉め事にならずに解決してほしいと願う平和主義ということで。
どうしてこんな話が飛び出してきたのか、裏の事情が胡散臭いと思って仕方ないのです。遡ってのルール適用ってのがどう考えてもおかしいですよね。