Piazza della Vittoria, Palermo
ヴィットーリア(勝利)広場です。
1820年に統治していたブルボン家に対するパレルモ人たちの勝利に由来しています。この裏に見えるあの建物を訪れたいと思います。
入るには金がかかる。
チケット売り場に行きます。19ユーロです。
時間はこの通り。
向かうは王宮(Palazzo Reale)、またはノルマンニ宮殿と呼ばれています。
現在見られる建物は16世紀から17世紀にかけて増築され、統一された外観となっています。
このような外観になった理由ははアラブ人、スペイン人、フランス人、イタリア人、ノルマン人によって何世紀にもわたって行われた建設、取り壊しが重なった結果によるものです。内部もさまざまな民族や文化が混ざり合い、不思議な空間がそこにはあります。
ここには有名なパラティーナ礼拝堂やルッジェーロの間などが見どころとなっています。ピカピカを見に行きます。
また、ここは1946年以来シチリア地方議会としても使われています。遡ると1140年にルッジェーロ2世によって設立されたヨーロッパ最古の議会が前身で、さすが世界遺産(2015年)、パレルモ人の誇りの場所なんですねー。
ノルマンニ宮殿はアラブ人がすでに最初の要塞を建設していた場所にあり、ノルマン人の治世中に改築されました。1130年、ノルマン人の最初のシチリア王であるルッジェーロ2世はこの建物を住居として使用することを決定しました。
階段を上がって2階に向かいます。
そこにはパラティーナ礼拝堂(Cappella Palatina)があって、ビザンチン、ラテン、イスラムの伝統が調和した空間があります。彼ら労働者が建設に関わったためです。1130年にルッジェーロ2世によって建設され、1140年に封建され1143年に完成します。内部は3つの身廊に分かれており、コリント式の大理石と花崗岩の柱で区切られています。
パラティーナっちゅうのは宮殿とかって意味っす。よってパラティーナ礼拝堂は王室の私有礼拝堂ってことさ。
360度の芸術作品。わずか十数年で作られた黄金の景色をぐるぐると見回してちょいとクラクラします。
各側に5つの先頭アーチを支えていて、イスラム教とビザンチン宗教にある正方形と円の幾何学的図形を採用していて美しい。
中央の身廊には動物やダンスをする人たちを描いた貴重なアラブ風の象嵌が施された木製の天井があります。
この礼拝堂は聖ピエトロと聖パウロに捧げられています。玉座のキリストの左右にいますね。
二聖人の上部には大天使ミカエルとガブリエルもいた!キリストは左手で福音書を閉じており、右手で祝福をしています。
2002年の地震の被害により、最近の修復は2008年にも行われています。
上部半球の底部に配置された8つの窓から差し込む光によって荘厳、壮麗なイメージを強調させています。キリストが左手に福音書を持っていて、左ページにギリシャ語、右ページにラテン語で『私は世の光、私に従うものは暗闇の中を歩まず命の光を得る』という一節が書かれています。
2つの言語を採用しているところを見ると、ルッジェーロ2世の時代には宗教儀式が両方の言語で執り行われていたことを示しているんですよ。
壁とドームはアラブ・ノルマン様式の金色のモザイクで完全に覆われています。
旧約聖書と新約聖書のエピソードが壁に描かれていて、まぁ見事なモンですよ。
実はこの礼拝堂の構造は2つの教会が認められていて、一つは三身廊のあるラテン教会、もう一つは半球のドームがついている正方形の平面を持つビザンチン教会です。ルッジェーロ2世が他文化に対する寛容さが見えますね。
異文化多民族の交わるシチリアという立地、パレルモという町がどうしてエキゾチックなのか、この部屋から多くを味わうことができました。
王宮の他の部屋もガンガン覗いて行った話は次回。王宮内のもう一つの金ピカの間も行ったよ。