カターニアのサン・フランチェスコ・ダッシジ広場でーす。
ドゥオモ広場から約300m、ローマ広場に到着する直前にヴィットーリオ・エマヌエーレ通りに沿って歩いていると見つかります。この小さな歴史的広場は美しいクロチフェーリ通りへ向かう前にあり、横にはサン・ベネデットのアーチもあります。
この広場は元々チェレアーリ広場として知られていました。その後、1898年3月6日のローマの決闘で死亡したミラノの副官、フェリーチェ・カヴァロッティにささげられました。そして20世紀初頭、広場はアッシジの聖フランチェスコの名前がつきます。
広場の中心にはカターニア出身の歴史的人物であるジュゼッペ・ベネデット・ドゥスメット枢機卿に捧げられた記念碑で、貧しい人々に人生を捧げ、1988年教皇ヨハネ・パウロ2世によって祝福された(福者の称号を与えられた)人です。
そしてワンコ。
これから馬肉を食べに行きます。ありがたい人を拝んどいて肉喰うって私ったら、ダメっすかね?
カターニアが何故馬を食べるのか?
伝説によれば、その昔、カターニアを故郷とするシチリア人は傲慢にも土地と女性を盗んで駐留していた裕福なギリシャの入植者たちと闘っていたといいます。この虐待にうんざりしたシチリア人たちは、ある夜その地域で最高の料理人を集めました。メインディッシュには味付けしたチーズと自生ハーブとレモンを混ぜ合わせた馬のミートボールで、火で焼いたライ麦パンが添えられていたそうです。シチリアにある賢者の集う大学では、戦争が停止しなかった時期に祭りの最中、馬のミートボールを積んだ荷車を奴隷に引かせて延々と列をなしてギリシャ人たちのいるカターニアの門へ向かいました。その量は都市全体を賄うほどのものでした。塔を守っていたギリシャ兵士に発見された賢者たちは降伏したいことと、この機会に美味しい料理で敵に敬意を表すことにしました。
シチリアの賢人たちの大学は、戦争が停止しなければならなかった時期、母なる地球を讃える祭りの最中に、馬のミートボールを積んだ荷車を奴隷に引かせて延々と列をなしてギリシャのカターニアの門に向かった。 敵の王はまず、歩兵たちに味わうよう命令し、満足気な彼らをみて王様も銀のフォークでミートボールを飲み込みました。彼らはその降伏を受け入れ、シチリア人に感謝し、和平協定を結んでその夜共にパーティーをすることにしました。しかしシチリア人たちはそのパーティーを断ります。
何故なら馬のミートボールには睡眠中に死亡すると言われる非常に強力な東洋の毒に浸した大豆が混ぜられていたからです。宴が終わるとギリシャ人はそれぞれの家で眠りに就き、安らかに息を引き取りました。
そしてシチリア人は街を包囲し、彼らの財産である美しいカターニアを取り戻しました。
そんなことから今日に至るまでカターニアでは屋外のバーベキューが根強い人気を誇っています。
…だそうだ。
敵を殺したあの馬肉の料理は今となってはカターニア名物だと。
しっくりこないが、あくまでも伝説からの文化伝統であります。
カターニアの特定の地域で肉を注文すると必然的に馬肉を意味します。甘くて脂肪分が少ない馬肉は人気の習慣で、プレビシート通りがその中心です。場所によっては10軒のうち9件が馬肉専門のトラットリアがあり、常にバーベキューグリルがあって常に歩道を閉めています。
そのうちの1軒にお邪魔する。
カターニアは馬肉が有名だとは知らなかった。馬刺しは好きだけど、果たして私は好きなのでしょうか。おっちゃんが店頭で火を焚べていました。日もまだ明るい時期ですが、あまり遅くならない時間には宿に戻りたいところです。一番乗りで外のいいテーブルを抑えることができました。
メニューを見せてもらうと、なんだか安くって驚きました。
Normaと書かれた6ユーロのパスタ。これはトマトソースに揚げナスが入っているシチリアのパスタ料理です。私は家でもこれを食べますが、折角シチリア東部の名物なので少し食べてみたい。
チーズてんこ盛り、パスタの量も相当で見た目にやられる勢いです。しかし、思ったよりスイスイといける。これは美味しい。
そして問題児、馬肉をチョイスした。
Carne di Cavallo 4,00euro 馬肉
Salsiccia di Cavallo 3,50euro 馬肉のソーセージ
Polpetta di Cavallo al Limone 2,50euro 馬肉のミートボール(レモン味)
それからヤギの骨つきが今日はあるということだったのでそれも挑戦。値段は知らないが、これらとあまり変わらないでしょう。とにかく安くてビビる。
辺りが暗くなり始めた頃、肉がバンバン焼かれています。どのテーブルもこれらを食する人で溢れていました。大人気ですね。私は付け合わせで頼んだポテトがやたら早く出てきてしまったため、調子が狂いそうなので少し抑え目にして馬肉さんたちが来るのを待っていました。グリルの上にはパレルモでも食したスティッギオーラ(腸をぐるぐる棒状にして焼いたもの)も見えます。これも大人気のようですね。メニューからするとこのスティッギオーラはヤギらしいっす。
馬肉を食べる習慣はフィレンツェではあまり聞いたことがありません。
よし馬肉のグリル、立派な大きさです。薄切りなのに食べ応えはバッチリ。どの料理もグリルで焼いた後にはオリーブオイルとオレガノが入ったソースをたっぷり塗るのがお決まりらしい。恐らくレモンも入ってたかも。肉は食べ応えのあり、若干の独特な臭みは感じられます。
当たり前ですが、ソーセージもミートボールも出だしの肉が同じで味付けも同じなんだからそりゃ食感が違うだけで同じ訳です。
美味しいとは思いましたが、だんだん飽きてきた。逆にヤギが美味しく感じたのは肉の種類が違うからだろうな。
人はどんどん入ってくる。オヤジどんどん焼く、客どんどん食う。
途中、グリルから半分に切ったパンに馬肉を挟んでパニーニを作るオヤジ、頬張る通行人。もう馬肉祭りです。毎日が馬肉祭りです。この店、無休の馬肉レストラン!家族連れ、友人グループ、まぁこうもみんな馬肉を食べるカターニア、シュールとしか言いようがない。
ここの馬肉の消費量、どうなってるのかしら…
Via Plebiscito734, Catania
無休:12.30-16,00、19,00-25,00
この通りはどのお店も馬肉レストラン。異様な雰囲気に呑まれそうでした。さ、帰ろ。
ウニヴェルシタ広場。カターニアの目貫広場の一つです。18世紀以前に建てられましたが、1693年のヴァル・ディ・ノート地震後に再構築されたバロック様式の建物。気候のいいこの時期だから、夜でも人が溢れて楽しんでいます。私たちは腹パンですのでアパートに戻ってのんびりしたいところです。
宿到着。
テラスから見えるドゥオモの美しさよ。