みなさん、こんばんは。
フィレンツェでーす。
これは今月のある日の出来事です。雲がかかったあまり天気が良くなさそうな光景ですが、ある場所に行ってみようと思います。
ドゥオモ広場のヴィーナス。
微妙だけど、目をひきます。
さ、今回行ったのはワイナリーです。
フィレンツェ郊外のフィエーゾレって高台の町があって、そこ行ってきた。本来なら10番のバス停終点まで行ってそこからタクシーに乗りゃいいらしいんだけど、その微妙な手間を考えるならもうチェントロからタクシーで行くことにした。
ご覧の通り30分程で着くはずなのに、結局50分位かかってしまいました。タクシーの運転手がヒステリックなおばさんで、もう出発からブーブー文句ばかり。
『サンタ・マリア・ノヴェッラ駅まで行くと思っていたのに』
とか伝えてもいない情報を言い出して本当に気狂いじみていて出だしから嫌な予感がしました。フィエーゾレは道はあるのですが、一歩外すとガタガタ道や携帯の電波も届かないような山間もあるのです。よって、
『車が汚れる』とか、
『追加料金をもらわないとやってられない。1時間かけて行ってまた1時間かけてチェントロに戻る羽目になるのか』
など、息を吸っては文句を吐くので折角のワイナリー見学にバンバン水を差してきました。
確かにわかりにくい道ですが、それでもプロなんだからどうにかしろと思いつつも不愉快なのはこっちも同じ。喧嘩をしても始まらないので、できるだけ柔らかい対応をしたけど、到着までに私も少々疲れてしまいました。ワイナリー到着後はワイナリーの方にも暴言を吐いて、逃げるようにタクシーはその場を後にしました。
『大丈夫?あんなヒステリックな人、初めて見たよ』
とワイナリーのスタッフの1人、ララがそう言って驚いた。
でしょうね。私も初めて見たよ。車のナンバー撮ってクレームを入れるべきでした。
しかしこのような美しい景色を眺めると気持ちは多少落ち着きました。
いつかここには来たいと思っていたので、思いがけず夢が叶ったのはラッキーでした。
ナポリ人のエンツォとパリ人のクレアという夫婦がこのワイナリーのオーナーで、2人は20年間シアトルのマイクロソフトで働いた後にここに戻ってきました。というのもエンツォの祖母は随分前にキャンティ・クラシコでワイナリーを所有していました。2000年にここに居を構えながら葡萄畑1,5ヘクタールとサン・カッシャーノに葡萄畑0,5ヘクタールを借りています。ここでの土地自体は16ヘクタールあり、そこには居住するための建物とワインを作るための設備、もちろんオリーブ畑などもあります。
そして来年にはアグリツーリズムも始めたいとの意向をこっそり教えてもらいました。
えー、そうだったんだ。なんか夢あるな。応援したい!
ここではオーガニックワインにこだわっています。よって、カモやアヒルが葡萄畑を歩いて害虫を食べたりしてスタッフ総出でワインの味と質を守っているとのことでした。時折イノシシなどの野良が現れてはブドウを食べてしまうこともあるのでその辺りの注意も怠ることができません。
目が届く範疇でワインを作るには限られた生産本数で、それ以上は難しいようです。
通りでここのワインは他に比べて生産本数が無闇に少ないことがわかりました。なんせスタッフ8人だからな。
しかしワイナリーの方々は大きなストレスを感じているようにも見えず、笑顔が多い環境がより好感を与えるのでした。
そんな『Poggio La Noce』でのお話を伝えたいと思っています。
続く