みなさん、こんばんは。
中央市場でーす。
いや、今日も暑いですね。再来週はフェッラゴスト(Ferragosto)って8月15日の祝日があるから、その辺りはいろんな作り手さんがお休みになっちゃう。それを見越して先月から色々入荷を多めにしていたはずなのに、お客さんが多いせいか想像より商品の減りが早い。流石にヤバいと思って、今週は追加で注文をする羽目に。嬉しい叫びというのかもしれませんが、予想が外れて少し困りました。コロナ前とコロナ明けってお客さんの動きって全然違うと思いました。買い物の仕方も変わった気がするし。それもまた国によって違うのも面白いです。今日はフランス人の日。フランス人ばっかりやってきた。
そんな市場を後にして、私はサンタントニーノ通りを歩く。この道はフィレンツェ人なら知ってる中国通りと化してしまいました。アジア食材を扱う商店や中華料理店があり、タピオカ屋とかも繁盛している。この通りのある商店でいつも私はお米を買っています。
『そういやお米が少なくなってきたな』
まだ2キロくらいは自宅にあるものの、私の主食はお米。家ではパンはほぼ全く食べません、食べても年に2回くらい。だからお米が無くなると大変なので、いつものお店に寄ることにしました。ついでに何かあるかなーとぐるっとお店を一周してみる。こんなの見つけて買ってみた。
ヤマキのだしの素。茅乃舎だしは日本で買ってこっちで友人などに配ったりしますが、こっちでは手に入らない。家にまだほんだしはあるけど、こんなの見たことない。1kgの業務用じゃん。こんなに使わないだろうけど、今まで見たことなかったし、レア感も相まってついつい購入してしまった。出汁系の昆布や鰹節などは持ってるけど、いざという時に簡単に使えるので無いよりはあった方がいいですよね。しかsこれで14.50ユーロとは安いです。
いつものお米と一緒にレジへ。今日はいつものおばちゃんじゃなくって息子さんがいた。
息子さんは同じ通りにもう少し広い食料品店をオープンさせた。かれこれ半年は経ったかな?そっちの店も行ったんだけど、なんかいつもの店の方が落ち着くので私は相変わらずここで買い物をします。
この前このお店でその中国人のおばちゃんと話をしてたのですが、どうも品揃えが悪い。もしかして撤退するのかな?って思ったら、息子さんが中華料理店に変えるって話を聞きました。あら、このお店なくなっちゃうんだって、寂しくなるねーって言ったら
『向こうの新しいお店でお買い物してねー』
…うん、わかるんだけど私はこっちの方が好きなんだけどな。
息子さん、お米の値段がわかんなくなっちゃってお母ちゃんに電話してる。
中国語だからわかんないけどそんな感じがしました。私が横で、
『いつも10ユーロだよ』
って言うと、案の定おばちゃんも同じ値段を言ったらしい。
『大丈夫、重いけど持って帰る?』
って息子さん心配してくれて、大丈夫よ、家はこの近所だからって話した後に、いつまでこの店を続けるのか聞いてみた。
『母ちゃん、中国に帰るかも。なんか疲れちゃったんだって』
のんびり国に帰って過ごしたいと漏らしたらしいんです。
あー、残念。いつぞやは習近平の話で盛り上がったりしたおばちゃんなんで、気さくな会話が好きだったのに。私としてはおばちゃんがいなくなるなんて考えもしなかった。家族でずっとここに住むのかと思ったんだけどな。そっか、だから中華料理店の話が出てきたのね。
『でも、こっちにいる間はこの店続けると思うよ。そうしたいって言っていたから』
そっか。色々あるんだな。今は息子たちと一緒に生活しているのに近い将来に遠く離れて暮らすことになるのでしょうか。
『母ちゃん、いい歳だからな』
息子さんも少し寂しそうに言った。
息子さんは見たところ30歳代に見えるからおばちゃんは60歳代ってところかしら。やっぱ還暦近くって人生の転換期なのかな。市場なんぞで働いていると意外と年寄りが働いていて、そのうちの爺さんが八百屋に1人いるんですけど、爺さんはアルバイトみたいなことしてる。家にいても老後で暇だから運動がてら働いているそうです。生活のためってよりも暇潰しってとこか。
なんか考えさせられるな。
私なんかここ数年ブログでも愚痴ってますが、いつから仕事サボって生きようって思ってばっかりだけど。周りからは引退はまだ早すぎるって言われるけど、じゃあ60歳ってなんなんだよ。ほっときゃ10年後にはやってくるお歳ですが、私は何してんのかなって。
今度おばちゃんと話してみよー。