みなさん、こんばんは。
中央市場でーす。
ノースカロライナからいらっしゃった2組のご夫婦。ご婦人二人だけで入店されたので最初は分かりませんでした。
で、ワインを楽しそうに見ているのでお手伝いしようかと声をかけたところ、話の流れでご主人が日本人だとわかりました。最初はジョークかと思っていたところ店に駆けつけたご主人は明らかに日本人の方でした。30年も日本に帰っていないということで、ぎこちない日本語を話すものの、こういう方もいらっしゃるんだと。
『いやー、イタリア高いね』
なんと、アメリカ人からしても高いらしいイタリアの旅行。食事やホテルも高いと言います。
アメリカ人でこれなんだから、日本人はさぞ円安でお困りじゃないかと思いました。その後に来た日本人の友人二人組。
『今なんてね、1ユーロ159円なんですよ!』
あらー、それはそれは。
今年の4月あたりで149円とか150円とかだったので、数ヶ月で10円円安が進んだということですか。
2020年8月で125円だったことを考えると、何もかも高額に見えるのは当たり前ですね。
さて。
この像をご存知でしょうか。フィレンツェの目貫広場、シニョリーア広場にあるコジモ1世の牙蔵です。
16世紀後半にフィレンツェで活躍した彫刻家、ジャンボローニャによるもので、1574年に亡くなったトスカーナ大公コジモ1世の追悼の意を込めて、息子のフェルディナンド1世が依頼したものです。1595年6月9日に落成式を迎えたこの像は、フィレンツェで作られた最初の騎馬像であり最大のものの1つなんですね。
15世紀半ばにメディチ家イケイケ時代があった後、サヴォナローラ、マキャヴェッリ、ローマ略奪などメディチ家としてはあまりパッとしなかった時代を過ごし、アレッサンドロ・デ・メディチがフィレンツェ公になぜかなって(1532-37)暗殺されちゃう。メディチ家傍系の黒帯のジョヴァンニの息子コジモがフィレンツェ公(1537-69)を継ぐことになるのですが、彼がフィレンツェにやって来たのは1537年、わずか18歳の時のことです。その時から200年、1737年にメディチ家最後のトスカーナ大公、ジャン・ガストーネ(在位1723-37)でメディチ家の統治は終わるのですね。大事な登場人物であるのがコジモ1世です。
この騎馬像はつい最近までサルヴァトーレ・フェラガモ社の出資により修復が行われていました。
クレーンを使って無事に馬とコジモ1世が合体。彫像の重さは10トンあります。馬の部分が7.8トン、コジモさんは2.3トンね。
『フェラガモ社や修復に携わった人に感謝。そして来年はコジモ1世没後450周年です!』って中途半端じゃね?
市長ナルデッラがそう言っていました。
ブロンズならではの深い青色を汚れから取り除き完全な修復を終えました。またコーティングもしてスキンケアもバッチリ。夏の暑さや冬の寒さにもお肌は敏感ですものね。だってこれオリジナルですから、大切にしないといけないんです。
第二次世界大戦の時には爆撃から守るために一度移動されたものの、再びここに完全な形でその姿が戻って来ました。ちなみに最後の修復は1990年代でした。やっぱりね、馬の脚が疲れていたみたいですよ。脚の筋肉ならず鉄筋の腐食と劣化。500年近く立っているとそりゃ足にくるわ。あのダヴィデ像も修復した時も足がお疲れでしたもんね。この辺のケアはしっかりしとかないといけません。
ジャンボローニャ自体が馬と人間の取り外しができるように作っていたおかげで修復にもスムーズに対応できることになったとか。何を思ってこのアイデアを取り入れていたんでしょうね。
シニョーリア広場には沢山の彫刻があり、オリジナルとレプリカで入り混じっていますが、どれも見事なもの。
フィレンツェを歩く美術館と呼ばれる所以です。たとえ美術館に入らずとも街中でこのような作品に触れることができるのは嬉しいことです。
2022年12月16日から行われた修復をようやく終え、昨日から再びコジモ1世の騎馬像をご覧いただけます。
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