みなさん、こんばんは。
中央市場でーす。
今日朝イチのお客さんは日本人の方でした。アジア人は特に朝が早く、観光の予定がかなり綿密なことが多い。よって、『市場で朝ごはんを食べる』とか『美術館が開く前にショッピングを楽しむ』などの計算がしっかりしていて、コロナ前は確かに朝のアジア人観光客ってのは定番そのものでした。
今日一日市場にいて、なんか日本人観光客が多いなと思ったら3連休なんですってね。なるほどそういう理由で見かけることが結構あったんだ。
で、そんな朝イチの日本人観光客の女性。
お会計を終えて、ちょっと立ち話してた時に質問というかあるお話をされたんです。
ウフィツィ美術館の前で絵描きさんが何人かいらっしゃいますよね。
そのうちの一人とお話しされて、意気投合したのか食事に行こうって誘われたそうなんです。
『他の絵描きさんとかと一緒に』と2人ではなくみんなでって誘い方だったらしくて。で、食事はバイクに乗って20分くらいのところだと言われたのです。
どうしようと悩んだその女性。一度友人に連絡を取って(恐らく日本のお友達だと思った)、事情を説明すると『行かない方がいいんじゃないか』と言うお返事だったのでなんとなくお断りしたとのこと。
『私は行ってもよかったのでしょうか?』
と私に訊いてきました。
さて、皆さんはどう思いますか?
私は即答で、『私だったら行かない』と言いました。
百歩譲ってチェントロのレストランならまだわかるが、バイクで20分かけてだと?嫌なにおいしかしない。
イタリアが好きで去年もイタリアに来て、イタリア語もちょっとわかってって状況のその女性。40歳代くらいかな、一人旅なのかなって雰囲気でした。町の中の絵描きさんはちゃんと営業許可を貰ってやっているだろうから身元は何かあればわかるはずだと思います。それとは別に何かあったらどうするの?ってことなんですよ。絵描きさんは70歳代の人だったらしく、恐らくあまり悪い人にも見えなかったのでしょう。しかしちょっと考えてみてください。日本起こったとしても同じシチュエーションで爺さんのバイクに乗って食事に行きますか?
『何も起きないかもしれない。楽しく過ごせるはずだったかもしれない』
それはおっしゃる通りなんです。ただ、『何か起きたらどうするの?』の方が絶対に大事なことなんです。
他の絵描きさんもいるからと言って、蓋を開けたら
『みんな用があるみたいだから二人だけで食事しよう』となったらちゃんと断って帰れますか?
小さな怖いことって海外だとあるもんです。そんなのいちいち日本で報道されたりもしません。もし何かあったとしても自分発信で情報共有しようとするでしょうか。人によっては知られるもの嫌で自分の中で完結してしまう経験になるかもしれないのです。女性だから男性だからとは言いたくないですが、
『自分が女性だと言うことをもっと考えてください』
とお伝えしました。日本でなくここはイタリアで、海外で、治安は言うほど悪くないからって何も起こらないと考えるのは安直すぎます。
考えすぎだとか言われたらそれまでです。しかし、私の気持ちとしては何かあってイタリア、フィレンツェを嫌いになって欲しくないのです。
初対面の人を食事に誘うとか、ワンチャン上手く行ったらと言うその絵描きさんの裏が私は見えてしまったから。
彼女は自分の判断で良かったと最終的には安堵したようですが、少なくともその時は揺らいだことは事実です。
旅行って非日常で面白いことや感動することがあります。しかし、時に間違わない判断をしないといけませんね。難しいですが、危機管理はした方がいいとなぎさおばちゃんは思うのです。まぁ若年寄りの意見ですからね。最後はご自分でお決めくださいな。
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