みなさん、こんばんは。
中央市場でーす。
お、天気いい。非常に過ごしやすい日でしたね。もちろんまだダウンジャケットは着ていますが、青空の下を歩くなら脱いでもいいくらいです。
まだまだ景気の良い観光客ってのは多くって、特に金額を気にせずに貴重なワインを買っていったりお土産の食材を選んだりする人はいます。ありがたい事です。おっとりした日本人妻とアメリカ人夫のご夫婦。ニューヨークからっていう事でしたが、なんか素敵だったんです。それでニューヨークの話でその後少し盛り上がったんですね。
私はニューヨークやロスに友人がいたもんですから、毎年遊びに行っていたんです。これはまだ日本在住の時期のお話で、9.11があった後はなんとなく足が遠ざかってしまいました。その理由はわからなかったけど、さて私が最後にニューヨークに行ったのはいつだろうと言うと、恐らく最後はあの映画の柿落としの日あたりだと思います。
リドリー・スコット監督の『ハンニバル(Hannibal)』。『羊たちの沈黙』の続編として作られたアンソニー・ホプキンス演じるレクター博士のお話で、おどろおどろしい描写が有名な映画ですね。ググったら2001年2月9日に上映されたのが始まりらしいです。その辺りでニューヨークのチェントロで友人の仕事終わりを待つ間にこの映画を観たんです。これはのちに私が住むことになるフィレンツェも舞台になっていて、実際この映画を観た結果はたまたまでした。当時はまだフィレンツェさえ訪れたことがなく、まさか住むことになるとは決まっていなかった頃だったんじゃないでしょうか。その翌年にフィレンツェに初めて行ったこと(一泊しかしなかったけど)も後に思い出すことになります。
映画を観た時の反応は国ごとに違うんでしょうが、観た方はお分かりになると思いますが、まー怖かったですね。そんなビビりながら1人で観た私が浮くくらい周りは手を叩いて大笑いの渦でした。どうしてそうなるのかとカルチャーショックを受けて映画館を後にした覚えがあります。ホラーは笑えるというアメリカンカルチャー。映画の恐怖よりもそっちの方が凄く驚きの記憶が大きかったですね。ま、映画も相当えげつなかったけどな。
そして数年後、フィレンツェに住み始めてから映画館でメル・ギブソン監督の『キリストの受難(La Passione di Cristo)』(2004)を映画館で観たんですよ。これも観た方はご存知でしょうが、なかなかのエグい映画で目を塞ぎたくなるような展開ばっかりなんですよ。キリスト教徒がショックで卒倒するというそれはそれは重い内容のものです。私なんてキリストの受難を視覚で学べるだろうと気楽な気持ちで観に行ったもんだからぶったまげましたよ。映画館の中の人たちは涙する人もいてなんか居場所がない、ちょっと来ちゃいけなかったかなって思ってしまいました。この映画もアメリカのものですが、マテーラなどイタリアがロケ地になっています。館内のおばあちゃんとか泣いていたな。
どちらの映画もまぁ怖かった。両手で顔を覆いながらもその指と指の間からスクリーンを覗く変な鑑賞法でした。
怖いんだったら観にいかなきゃ良いのにね。私は大体ホラーとか血とか出てくるのは正直苦手なんです。戦争映画も苦手だし。でも前評判を聞かずに映画を選ぶからこう言う結果になってしまう。本当に好きなのはジャッロって呼ばれる推理ミステリーものなんです。
いやはや、ニューヨークのお客さんからこんな昔話を店で披露するとは思いませんでした。