みなさん、こんばんは。
シエナでーす。遅くなりましたが先週行ってきた時のお話です。
私ね、今まで一度もやらかさなかった事が今回起きてしまいました。ちょっと大袈裟ですが、とっても大事なことです。
ガイドの免許をバッグに入れ忘れてやってきてしまったんです。嘘でしょー、って思いましたが何度探しても見つからない。旅行者にとってパスポートが命の次に大切だなんてことはよく言いますよね。これも大袈裟です。だって、日本大使館か領事館で仮発行できるんだから。
でももしかしたらガイドの免許をどこに忘れたのかちっとも覚えてないんです。もしかしたら出発場所に行く前にゴミを捨てたからそん時に一緒に捨てちゃったとか、まさかないよな。私はかつてミラノからフィレンツェに戻る新幹線の中でパニーニの紙を捨てようとして財布を一緒に捨てちゃった前科があります。あの時は大いに困りましたし、情けないなぁって思いました。後悔とか反省は別にないんです。だってこの性格と何十年も付き合ってきているんですから。でも、馬鹿だなと思ったくらい。
今回家に忘れてきたのかどっかで落としたのかどうも記憶がない。これじゃガイドできないじゃん。やばいやばい。
で、もし免許の提示とか(今まで一度もないけど)警察か誰かに言われたらどうしよう。財布に名刺が入っているし、IDカードがあるからそれで乗り切れるかなって財布を探したら、財布もない。
もー、何やってんだろうって呆れました。
仕事に来てるのにガイドの免許忘れる、しかも財布も忘れるって詰んだ…
おかしい、どこに忘れてきたのか無くしてしまったのか盗まれたのかさっぱりわからん。モヤモヤしながらもやりましたよ。
誰にも絡まれないでガイドができて良かったけど、首から下げたライセンスが無いってこんなに落ち着かないんだってことは知りました。やっぱりこれが無いとダメなんだな。お守りみたいなもんです。
ちょっとオルチャの話に戻りますが、浜田省吾さんの本にあるワインが写っていて、私これを見てすぐにどこのワイナリーのなんのワインか分かったのでお客さまに頼まれてシエナで買ってこようと思っていました。ところが調べたらうる覚えで自信がなかったのでもう一度画像だけ送ってもらったんです。
シエナのワインだし、すぐに見つかるから買っときますって偉そうに言った割に財布忘れるってある?このタイミングで忘れるかね?
ここにもエノテカは沢山あるからいいやって安心していた私がこの有様です。こりゃフィレンツェで見つけるしかない。
私はガイドの時と市場の時はバッグを使い分けています。
しかし自宅に帰ると全ての携帯物をテーブルに出すので失敗しなかったんです。だから今回だけ出し忘れして持ってこなかったってことも考えられます。うーん、考えにくいんだけど。とにかくこの1日はずっとそれが頭にありながら、平静を装って過ごしました。一体何が起きたのか見当もつかない。
ドゥオモも入れない。ガイドなら無料で入れますが、財布さえ忘れているんだから有料でも入れない。
情けないやら惨めやらで…
ランチはどうしたの?ってことになりますが、いつものレストランで私たちは無料で食べれます。
同僚のアナスタシアが、
『カプレーゼ食べたら?頼んどくね』
って言ってくれたのでそのままお願いしたんです。
そしたらほうれん草が届いた。なんで?
カプレーゼってほうれん草にいつからなったのかしら。あまりお腹も空いてないのでそれ食べてたら、アナスタシアが帰ってきてウェイターに注意してもう一度カプレーゼを持ってくるように伝えてくれました。私はどっちでもいいんだけど、やっぱりこの仕事してる人って強いなって。私ならこれだけ食べてもういらないってなるけど。
途轍もない大きさのトマトを使ったカプレーゼがやってきた。
私にとってはカプレーゼだろうがほうれん草だろうが、ガイドの免許証と財布の行方が気になってそれどころじゃない。でもアナスタシアの気遣いに感謝してるから頑張って食べた。
シエナくんだりまできて、ガイドの免許もない、財布もないでトホホの私。
ワインも買えない。よくよく自分が嫌になりました。
でね、結局その免許と財布、どこにあったのかというとテーブルに置いてありました。私にとっては命の次に大切なものです。自分がいけないとは言え、落ち着かない1日を送ったものです。
で、後日ステファノがワインを買ってきてくれました。心の底から大感謝よ。
今日、オルチャのお客さまに無事お渡しできて良かったです。ステファノには大好物の柿の種を賄賂として差し上げたところです。サンジョヴェーゼ・グロッソ種100%を使用したビヨンディ・サンティのサッソ・アッローロ、日本では5,000円くらい。
あれ以来、ガイドの免許も財布も忘れていません。思っていたより相当堪えたみたいですよ。
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