みなさん、こんばんは。
ウフィツィ美術館でーす。市場早退してこっち仕事来ております。
この話、あまり一般の人には大した事ないんですが、ガイド界のちょっと不思議なことをお伝えしたいと思います。
最終的に時系列が逆になっちゃうんだけど、まぁお聞きください。
先週ね、駅から歩いていたら知り合いのガイドさんにたまたま会いました。
その日にウフィツィ美術館に仕事に行ったらえらい目に遭ったと。
『QRコードを出せって言われて、持ってなかったから入場料払って言われたwww』
これ、なんの話かっていうとナショナルガイド(Guida Nazionale)のことです。
じゃナショナルガイドって何かって言うと、以前はローカルガイド制でその地域ごとにガイド免許がありました。例えば私の場合、フィレンツェ県の公式ガイドなんで、ローマやヴェネツィアはおろか、ピサやルッカもできなかった時代があったんです。それがぼんやりとイタリアどこでもできるって事になりました。ぼんやりってのは私の情報弱者の意見で、もしかしたらいついつって決まっていたのかもしれません。
いずれにしても、かなり以前からどこの町に行ってもフィレンツェガイドの免許で入れたし喋ることも可能でした。
(モニュメントや美術品の前ではガイド免許がないと説明できないイタリアです)
私はイタリアのどこに行っても仕事に問題ありませんでした。
それにイタリアを個人旅行をした際もこれまで入場料とか払ったことはありません。
去年末から年始にかけてちょっとバタバタがあって、このナショナルガイドの話が明確になってきました。
私がその際に苦労した話は別日にお話しするとして、その時にイタリア全土のガイドさんはそれぞれにQRコードを取得しています。
それがとうとうウフィツィ美術館入場の際にガイドさんはQRコードを提示しないとダメだと。なかったら入場料払えと。
その話を知人ガイドから聞いた際は本当に?って思ったんです。
でも実際起きたんだから会社に連絡してガイド全員に一斉メールで伝えてほしいとお願いしました。
間も無くその一斉メールが届く。
あー良かった。知っているガイドさんもいらっしゃるだろうけど、全員とは限らないですもんね。
お客様グループの前でバタバタだった知人ガイドの悲惨さを想像したら私も他の人たちとこの情報は共有したいと思ったんです。ちなみにその知人ガイドさんはQRコードを持ってなかったそうで、それでもその日は猶予されて、次回からはちゃんと持っとけよと脅されたって結末。そりゃ私も慌てたってのわかりますよね。
それがですよ、肩を撫で下ろしたその日の後もよ、何度行こうが
ウフィツィでQRコードの提示を全く言われてこない。
どうなってんだって。やるんかい、やらないんかい!
でね、ウフィツィ美術館の係員が暇こいてたんで今日聞いときました。
『何それ、知らないわ』
ほら、これだ。情報共有ができてない。これ、本当に国立の美術館?
で、その係員が暇だからトランシーバーで他の係員に聞いてくれました。
『大体来るガイドは同じメンツでしょ。知ってるメンツは顔パスよ。でもそうねぇ、やってみようかしら』
と声の先からそう聞こえてきた。
こんなもんですよ、イタリアのルールなんて。
こっちは噂であっちこっちちゃんとしないとってやっとるんです。現在はQRコードの提示を求められるのはウフィツィ、ピッティ宮、ボーボリ庭園、ヴァザーリの回廊のみとなっていて、アカデミア美術館はまだマストじゃないと。でも時間の問題でなるんじゃないかと公式声明を会社が拾ってくれました。しかしやることさえ当該のスタッフが知らないんだから訳分からん。
急に明日から必要と言われても困るから一応私は携帯しますけど。
気苦労の一々あるイタリアの毎日よ。
こちらもよろしくお願いいたします🙇
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